中学2年生の数学では、これまで別々の世界だと思っていた「連立方程式」と「一次関数」が、実は深くつながっていることを学びます。
この関係を理解すると、計算問題を図形的に、グラフの問題を計算で解くことができるようになり、数学の世界が一気に広がります。
ここでは、その重要なつながりを解き明かしていきます。
まず、2x + y = 4 のような二元一次方程式(文字が2つの方程式)を考えてみましょう。
この式を成り立たせる x と y のペアは、1つだけではありません。
x = 0 のとき、y = 4
x = 1 のとき、y = 2
x = 2 のとき、y = 0
x = 3 のとき、y = -2
など、無数に存在します。
これらのペア (0, 4), (1, 2), (2, 0), (3, -2) などを座標平面上に点で打っていくと、どうなるでしょうか?
…実は、これらの点は1本の直線上にきれいに並びます。
つまり、
「二元一次方程式の解((x, y)のペア)の集まりは、グラフにすると1本の直線になる」
という、非常に重要な関係があるのです。
2x + y = 4 のような方程式のグラフをかくには、これを一次関数の基本形 y = ax + b の形に変形するのが一番簡単です。
yの項だけを左辺に残し、xの項を右辺に移項する。
2y = -3x + 6
両辺をyの係数(この場合は2)でわる。
y = (-3/2)x + 3
変形完了!
一次関数としてグラフをかく。
これで、この方程式のグラフは「切片が3で、傾きが -3/2」の直線であることがわかりました。
まず、y軸上の +3 の点(切片)に印をつけます。
そこから傾きの通り、「右に2進んで、下に3下がる」点に印をつけます。
この2点を結べば、方程式 3x + 2y = 6 のグラフの完成です。
ここがこの単元のクライマックスです。
{ x + y = 5 ...①
{ x - y = 1 ...②
これを加減法で解くと、2x = 6 より x = 3。
①に代入して 3 + y = 5 より y = 2。
つまり、この連立方程式の解は (x, y) = (3, 2) です。
では次に、この2つの方程式をそれぞれグラフにしてみましょう。
式①: x + y = 5 → y = -x + 5
(切片5, 傾き-1の右下がりの直線)
式②: x - y = 1 → y = x - 1
(切片-1, 傾き1の右上がりの直線)
この2本の直線を座標平面上にかく と、驚くべきことに、点(3, 2)で交わります。
このことから、以下の絶対的な関係がわかります。
「連立方程式の解」 = 「それぞれの式のグラフをかいたときの、2直線の交点の座標」
グラフ①は、式①を成り立たせる点の集まりです。
グラフ②は、式②を成り立たせる点の集まりです。
連立方程式の解は、式①と式②を同時に成り立たせる点です。
つまり、グラフ①の上にもあり、かつグラフ②の上にもある点…それは「2直線の交点」しかありません。
これは「xがどんな値でも、yは常に3」という意味です。
(0, 3), (1, 3), (2, 3) などを通るので、x軸に平行な真横の直線になります。
これは「yがどんな値でも、xは常に2」という意味です。
(2, 0), (2, 1), (2, 2) などを通るので、y軸に平行な縦の直線になります。
(※ x = 2 は、yの値が一つに決まらないため、一次関数ではありませんが、方程式のグラフとしては存在します。)
これまで「計算の世界」だった方程式と、「図形の世界」だったグラフが、この単元でがっちりと結びつきます。
二元一次方程式のグラフは、直線になる。
連立方程式の解は、2直線の交点の座標と一致する。
この視点を持つことで、方程式の問題を図で考えたり、グラフ上の交点を計算で求めたりと、問題解決の強力な武器を手に入れることができます。