中学3年生で学ぶ「円周角の定理」は、円が関わる図形の角度問題を解く上で、絶対に欠かせない超重要ツールです。
一見、複雑そうに感じるかもしれませんが、基本となるルールはたった一つです。
そのルールから派生する様々な性質を理解すれば、一気に問題が解けるようになります。
ここでは、定理の基本から応用まで、ステップ・バイ・ステップで解説します。
まず、この定理の主役である2つの角が、それぞれ何を指すのかを正確に理解しましょう。
弧(こ): 円周の一部分のこと。
すべての角の「源」となります。
中心角 (Central Angle):
頂点が円の中心にある角。
弧の両端と、円の中心を結んでできる角です。
円周角 (Inscribed Angle):
頂点が円周上にある角。
弧の両端と、その弧上にない円周上の1点を結んでできる角です。
ある一つの弧 AB を考えたとき...
中心Oと結んだ ∠AOB が中心角。
円周上の点Pと結んだ ∠APB が円周角。
この「同じ弧から作られる」という点が、2つの角を関係づける最大のポイントです。
これが、すべての基本となる絶対的なルールです。
「1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の大きさの半分である。」
円周角 = (1/2) × 中心角
逆に言えば、 中心角 = 2 × 円周角
ある弧に対する中心角が 100° なら、同じ弧に対する円周角は 50° になります。
ある弧に対する円周角が 35° なら、同じ弧に対する中心角は 70° になります。
基本ルール①から、次のような非常に便利な性質が導かれます。
「同じ弧に対する円周角の大きさは、すべて等しい。」
同じ弧から作られる円周角は、頂点が円周上のどこにあっても、すべて「同じ中心角の半分」の大きさになります。
だから、当然それらの円周角はすべて等しくなるのです。
この性質は、一見関係なさそうな場所に等しい角を見つけ出すための強力な武器になります。
図形の中に隠れた二等辺三角形や、相似な三角形を発見するきっかけになることが多いです。
基本ルール①を、弧が「半円」の場合で考えてみると、特別な性質が見つかります。
半円の弧に対する中心角は、直径なので 180°(直線)です。
ということは、その円周角は 180° ÷ 2 = 90° となります。
「半円の弧(直径)に対する円周角は、90°(直角)である。」
この性質は、円の中に直角三角形を見つけるための最大のヒントです。
問題の図に「円の直径」が引かれていたら、「どこかに90°が隠れているぞ!」と真っ先に疑いましょう。
これが、三平方の定理など、他の知識と組み合わせて使われることも非常に多いです。
これまでの定理の「逆」も成り立ちます。
これは、いくつかの点が「同じ円周上にあること」を証明するときに使います。
「2点P, Qが、直線ABについて同じ側にあって ∠APB = ∠AQB ならば、この4点A, B, P, Qは一つの円周上にある。」
円周角の定理を使いこなすための3大ポイントをまとめます。
円周角は、中心角の半分。
同じ弧に対する円周角は、どこにあっても等しい。
直径に対する円周角は、90°。
円の角度問題は、これらの定理をパズルのように組み合わせて解いていきます。
「この円周角を作っている弧はどれか?」
「その弧から作られる他の角はないか?」と、常に「弧」を意識することが、問題を解くための最大のコツです。