大和政権と古墳時代:大陸との交流

 

 

1. なぜ大和政権は大陸と交流したのか?(目的)

大和政権が積極的に朝鮮半島や中国と関わろうとしたのには、主に2つの大きな目的がありました。

① 国内外での支配力を強めるため(権威の獲得)

当時の東アジアで最も進んだ文明を持ち、最も権威があったのは中国の皇帝でした。

大和政権の大王は、中国の皇帝に貢物を送り、皇帝から「お前を日本の王として認める」というお墨付きをもらうことで、自らの権威を高めようとしました。

この国際的な権威を背景に、国内の他の豪族たちに対して優位に立ち、また朝鮮半島での影響力を強めようとしたのです。

② 大陸の進んだ技術や文化、資源を手に入れるため

当時の日本にとって、朝鮮半島や中国大陸は、あらゆる先進技術・文化のお手本でした。

より硬くて丈夫な鉄製品を作る技術、美しい土器(須恵器)を作る技術、文字(漢字)や、後には仏教など、国の発展に不可欠なものを手に入れることが、もう一つの大きな目的でした。

特に、武器や農具の材料となる鉄資源は、朝鮮半島南部の伽耶地方などで産出されたため、この地域との関係は非常に重要でした。

 

2. 中国大陸との交流:「倭の五王」の遣使

背景:

5世紀頃、中国は南北に分裂していました(南北朝時代)。

倭の五王の遣使(けんし):

中国の歴史書『宋書』倭国伝によると、5世紀に倭の国の五人の王(讃・珍・済・興・武)が、相次いで中国の南朝(宋)に使いを送った(遣使した)ことが記録されています。

この「倭の五王」は、大和政権の大王たち(允恭天皇や雄略天皇などに当てはまると考えられている)のことです。

彼らは、中国の皇帝に貢物を送り、朝鮮半島南部での軍事的な指導権などを認めてもらうための称号を求めました。

意義:

この記録は、大和政権が日本列島を代表する統一政権として、東アジア世界の中で外交活動を行っていたことを示す、貴重な証拠です。

 

3. 朝鮮半島との交流:争いと協力、そして人の往来

古墳時代の朝鮮半島は、北の高句麗(こうくり)、南西の百済(くだら)、南東の新羅(しらぎ)の三国が激しく争っていました(三国時代)。

大和政権は、この国際情勢に深く関わっていきます。

百済との友好関係:

大和政権は、主に百済と友好関係を結び、高句麗や新羅と戦いました。

鉄資源をめぐる争い:「伽耶(かや)地方」

朝鮮半島南部にあった伽耶(かや)地方(日本書紀では「任那(みまな)」と呼ばれる)は、良質な鉄資源の産地でした。

大和政権は、この鉄資源を確保するため、伽耶地方に軍隊を送るなど、大きな影響力を持とうとしました。

渡来人(とらいじん)の来日と、その貢献

こうした朝鮮半島との交流が活発になる中で、多くの人々が朝鮮半島から日本列島へ移り住んできました。

彼らのことを「渡来人」と呼びます。

渡来人たちは、それまでの日本にはなかった、大陸の高度な技術や文化を伝え、大和政権の発展を大きく支えました。

渡来人が伝えたものの例:

須恵器(すえき): 窯(かま)を使い、高温で焼いた硬く灰色の土器。

漢字(文字): 本格的に文字を使う文化が始まりました。

これにより、役人が記録をつけたり、外交文書を作成したりできるようになりました。

仏教: 6世紀に百済から伝わった仏教は、後の飛鳥文化の中心となります。

その他、機織り(はたおり)、金属の加工、土木技術など、多岐にわたりました。

渡来人やその子孫たちは、大和政権の中で、外交や財政などを担当する役人(書記官など)として重要な役割を担うようになります。

 

まとめ

大和政権は、権威の獲得と先進技術の導入を目的として、中国や朝鮮半島と活発に交流しました。

中国へは「倭の五王」が使いを送り、国際的な地位を認めさせようとしました。

朝鮮半島では、百済と結び、高句麗や新羅と争い、鉄資源を求めて伽耶地方へ進出しました。

この交流を通じて、多くの渡来人が日本へやって来て、漢字や須恵器、後の仏教といった大陸の進んだ技術・文化を伝え、日本の古代国家形成に不可欠な役割を果たしたのです。

 

歴史
人類の出現 旧石器時代、新石器時代 四大文明 ギリシャ・ローマの古典文明 日本のあけぼの:旧石器時代、縄文時代 日本のあけぼの:弥生時代 大和政権と古墳時代:邪馬台国と卑弥呼 大和政権と古墳時代:大和政権と古墳 大和政権と古墳時代:大陸との交流 飛鳥時代:仏教の伝来 飛鳥時代:聖徳太子の政治 飛鳥時代:大化の改新と律令国家 飛鳥時代:白村江の戦い 奈良時代:律令制度と平城京 奈良時代:班田収授法と租・庸・調 奈良時代:聖武天皇と国分寺・東大寺 奈良時代:天平文化 平安時代:平安京への遷都 平安時代:摂関政治 平安時代:武士の発生 平安時代:国風文化 平安時代:院政と平氏 鎌倉時代:鎌倉幕府の成立 鎌倉時代:御家人と封建制度 鎌倉時代:承久の乱と執権政治 鎌倉時代:元寇 鎌倉時代:鎌倉仏教 室町時代:建武の新政と南北朝 室町時代:室町幕府の成立 室町時代:勘合貿易 室町時代:応仁の乱と戦国時代 室町時代:北山文化と東山文化 安土桃山時代:戦国大名の登場 安土桃山時代:ヨーロッパ人との出会い 安土桃山時代:豊臣秀吉による天下統一 安土桃山時代:桃山文化 江戸時代:江戸幕府の成立 江戸時代:幕藩体制 江戸時代:士農工商の身分制度 江戸時代:鎖国政策 江戸時代:産業の発達と交通網の整備 江戸時代:元禄文化 江戸時代:江戸時代の三大改革 江戸時代:化政文化 江戸時代:欧米列強の接近と幕府の動揺 江戸時代:開国と幕末の動乱 明治時代:大政奉還、王政復古 明治時代:明治維新 明治時代:富国強兵 明治時代:文明開化 明治時代:自由民権運動と大日本帝国憲法 明治時代:日清戦争・日露戦争 明治時代:不平等条約の改正 明治時代:日韓併合 世界の動き:市民革命 世界の動き:産業革命 世界の動き:アジアの植民地化 大正時代:第一次世界大戦と日本の参戦 大正時代:大正デモクラシー 大正時代:米騒動、社会運動の活発化 昭和時代:世界恐慌と日本の経済危機 昭和時代:軍部の台頭と満州事変 昭和時代:日中戦争と第二次世界大戦 昭和時代:ポツダム宣言受諾と日本の敗戦 昭和時代:民主化政策と日本国憲法 昭和時代:二つの条約 昭和時代:高度経済成長と国民生活の変化 昭和時代:公害問題 世界の動き:国際連合の発足 世界の動き:冷戦 世界の動き:アジア・アフリカ諸国の独立 世界の動き:冷戦の終結とグローバル化 平成時代:日本のバブル経済とその崩壊 現代:現代社会の課題 現代:新型コロナウイルスの流行と影響