江戸時代:鎖国政策

 

 

鎖国政策と四つの口

「鎖国」と聞くと、日本が完全に外国との関わりを断ってしまったイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありませんでした。

幕府が管理する**4つの窓口(四つの口)**を通じて、特定の国や地域との交流は続けていたのです。

 

なぜ「鎖国」を行ったのか?(目的)

江戸幕府が鎖国を行った主な目的は2つです。

①キリスト教の禁止を徹底するため

幕府は、キリスト教の教えが信者の団結を強め、幕府の支配を揺るがす一揆などにつながることを恐れました。

特に、多くのキリシタンが参加した**島原・天草一揆(1637年)**をきっかけに、キリスト教の布教を防ぐために外国との交流を厳しく制限する必要があると考えました。

②幕府が貿易の利益を独占するため

西日本の大名などが、勝手に外国と貿易を行って力をつけ、幕府に反抗するのを防ぐ狙いがありました。

貿易を幕府の管理下に置くことで、富と情報を独占し、支配を安定させようとしたのです。

 

鎖国政策の完成

これらの目的のため、3代将軍・徳川家光の時代に、次のような政策が次々と出され、「鎖国」体制が完成しました。

日本人の海外渡航と帰国を全面的に禁止する。

キリスト教の布教を行うポルトガル船の来航を禁止する。

貿易を許可する国と場所を限定する。

 

鎖国時代の4つの窓口「四つの口」

鎖国といっても、完全に国を閉ざしたわけではなく、幕府が公認した以下の4つの窓口で、人・モノ・情報の出入りを管理していました。

窓口の名称 場所(担当した藩) 交流相手 主な内容
長崎口 長崎(幕府の直轄地) オランダ・中国(清) 幕府が直接管理する最も重要な窓口でした。
出島でオランダと貿易を行ない、ヨーロッパの学問や文化(蘭学)を取り入れました。
唐人屋敷を設け、中国(清)と貿易を行ないました。
対馬口 対馬藩(宗氏) 朝鮮 朝鮮との外交・貿易を担当しました。
将軍の代替わりごとなどに、お祝いの使節である朝鮮通信使が来日し、文化交流も行なわれました。
薩摩口 薩摩藩(島津氏) 琉球王国
(現在の沖縄)
薩摩藩が琉球王国を支配下に置き、貿易を行ないました。
琉球を通じて、間接的に中国の産物なども手に入れていました。
松前口
(蝦夷地口)
松前藩 アイヌ民族
(蝦夷地)
蝦夷地(現在の北海道)のアイヌの人々と交易(主に昆布や干し魚、毛皮など)を行ないました。

このように、江戸幕府は国を完全に閉ざしたのではなく、キリスト教が入ってくる可能性が低い国や地域を選び、幕府の管理下で限定的に交流を続けるという、非常に巧みな対外政策をとっていたのです。

この「鎖国」政策によって、幕府は国内の支配を安定させ、約200年以上にわたって平和な時代を築くとともに、海外からの影響を受けながらも日本独自の文化を大きく発展させました。

 

歴史
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