室町時代:建武の新政と南北朝の動乱

 

 

1. 建武の新政:天皇中心の新しい政治の始まり

鎌倉幕府が滅んだ後、1334年に後醍醐天皇が始めた新しい政治を「建武の新政(けんむのしんせい)」といいます。

目的:

武士ではなく、天皇が中心となって政治を行う、昔のような形(律令時代)に戻そうとしました。そのため、幕府は作らず、上皇による院政や、天皇を補佐する摂政・関白も廃止しました。

主な人物:

後醍醐天皇(ごだいごてんのう) 鎌倉幕府を倒し、天皇中心の政治を取り戻そうとした人物です。
足利尊氏(あしかがたかうじ) 鎌倉幕府を倒す際に活躍した有力な武士です。
新田義貞(にったよしさだ) 足利尊氏と同じく、鎌倉幕府を倒した武士です。

しかし、この新しい政治は、わずか2年ほどで失敗に終わってしまいます。

失敗の理由:

公家(貴族)を重視した政治: 天皇の周りにいる公家を大切にしたため、命がけで戦った武士たちへの恩賞が少なく、不満が高まりました。

社会の混乱: 新しい政治への不満から、各地で反乱が起こるなど、世の中が不安定になりました。

 

2. 南北朝の動乱:二人の天皇と全国的な内乱

建武の新政に不満を持つ武士たちの中心となったのが、足利尊氏でした。

動乱の始まり:

足利尊氏は、武士たちの不満を背景に、後醍醐天皇に反旗をひるがえします。

尊氏は京都に新しい天皇(光明天皇)を立てました。これが北朝(ほくちょう)です。

一方、後醍醐天皇は京都を逃れて奈良の吉野(よしの)に移り、「正当な天皇は自分である」と主張し、南朝(なんちょう)を開きました。

こうして、京都の北朝と吉野の南朝という、二つの朝廷が同時に存在することになり、全国の武士や貴族、お寺までもが南朝と北朝に分かれて約60年間も争う「南北朝の動乱」が始まったのです。

動乱の主な人物:

南朝側 後醍醐天皇、楠木正成(くすのきまさしげ)、新田義貞など
北朝側 足利尊氏など

 

3. 南北朝の統一と室町幕府の確立

長い動乱の末、北朝側で力を持った室町幕府の三代将軍、足利義満(あしかがよしみつ)が、1392年に南朝と交渉し、二つに分かれていた朝廷を一つにまとめました(南北朝の合一)。

この南北朝の動乱を経て、足利氏による武家政権である室町幕府の支配が全国に及ぶようになり、本格的な室町時代が訪れたのです。

 

まとめ

建武の新政は、後醍醐天皇が始めた天皇中心の政治でしたが、武士たちの不満を買い、短期間で失敗しました。

その結果、足利尊氏が新しい天皇を立てた北朝と、後醍醐天皇の南朝に朝廷が分裂し、約60年にもわたる南北朝の動乱が起こりました。

この動乱は、三代将軍・足利義満によって統一され、室町幕府の支配が確立されました。

 

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