南北朝の動乱という混乱した時代を終わらせ、室町幕府の力を最も高めたのが、3代将軍の**足利義満(あしかがよしみつ)**です。
彼の時代に、室町幕府は全盛期を迎えました。
足利義満は、1368年にわずか11歳で3代将軍となりました。
最初は管領(かんれい)の細川頼之(ほそかわよりゆき)などの補佐を受けていましたが、次第に優れた政治手腕を発揮し、幕府の権力を固めていきました。
義満は京都の室町に「花の御所」と呼ばれる豪華な邸宅を建て、そこを政治の中心としました。
これが「室町幕府」という名前の由来です。
当時、地方で大きな力を持っていた有力な守護大名を、巧みな戦略で次々と討伐・弱体化させ、将軍の権力を全国に示しました。
約60年間も続いた南北朝の動乱を終わらせたのは、義満の大きな功績です。
長引く争いに南朝の力は衰え、平和を望む声が高まっていました。
義満は、南朝の後亀山天皇に働きかけ、北朝の後小松天皇に三種の神器を譲るという形で、1392年に朝廷を一つにまとめました(南北朝の合一)。
この出来事によって、全国的な内乱は終わり、幕府の支配が安定しました。
義満は、当時中国を支配していた明と正式な国交を開き、貿易を始めました。
これは室町幕府に莫大な利益をもたらしました。
倭寇(わこう)の取り締まり: 当時、朝鮮半島や中国の沿岸で海賊行為を働いていた倭寇を抑えることが、明から求められていました。
経済的な利益: 貿易による利益は、幕府の財政を豊かにしました。
正式な貿易船と倭寇を区別するため、**勘合符(かんごうふ)**という証明書が使われました。
この貿易は、明の皇帝が上で、日本の将軍が家臣という形式(朝貢貿易)で行われ、義満は明の皇帝から「日本国王」の称号を認められました。
| 日本からの輸出品 | 銅、硫黄、刀剣、扇など |
|---|---|
| 日本への輸入品 | 銅銭(永楽通宝など)、生糸、絹織物、陶磁器など |
この貿易で輸入された銅銭は、当時の日本で広く使われ、経済の発展に大きな影響を与えました。
義満の時代には、京都の北山に建てられた金閣(鹿苑寺金閣)に代表される、華やかで新しい文化が生まれました。
これを北山文化といいます。
公家(貴族)の文化と武士の文化が融合した、力強く豪華な文化です。
明との貿易によってもたらされた大陸の文化の影響も受けています。
建築: 鹿苑寺金閣
芸能: 観阿弥・世阿弥親子によって大成された能(能楽)や、その合間に演じられた狂言
足利義満は、南北朝の動乱を終わらせて国内を統一し、勘合貿易によって幕府の財政を安定させました。
また、金閣に代表される北山文化を生み出すなど、政治・経済・文化の各方面で室町幕府の最も輝かしい時代を築いた、非常に重要な将軍です。