明治時代:明治維新

 

 

明治維新とは

江戸幕府を倒した新しい明治政府が、日本を欧米列強に負けない近代的な国にするために行った一連の大改革を明治維新といいます。

その中でも、国の仕組みを根本から作り変えた「五箇条の御誓文」「版籍奉還」「廃藩置県」は、新しい国づくりの土台となった非常に重要な改革です。

この3つの流れを順に見ていきましょう。

 

1. 新政府の基本方針を示す:五箇条の御誓文(1868年)

戊辰戦争のさなか、明治天皇が神々に誓うという形で、新政府がこれから目指す国の基本方針を国内外に示しました。

これが五箇条の御誓文です。

目的:

これから始まる国づくりへの意気込みを示し、旧幕府側も含め、人々の心を一つにまとめるため。

主な内容(要約):

広く会議をおこし、みんなの意見で政治を決めよう。

(議会政治の尊重)

身分の上下を問わず、みんなで心を一つにして国づくりに取り組もう。

(国民の団結)

役人から庶民まで、各自がその役目を果たせるようにしよう。

これまでの悪い習慣(攘夷など)は捨て、国際的な道理に基づこう。

(開国の方針)

知識を世界に求め、天皇中心の国を盛り立てていこう。

(海外の知識の導入)

この宣言によって、新政府は「古い幕府のやり方とは違う、開かれた近代国家を目指す」という姿勢をはっきりと示したのです。

 

2. 中央集権国家への第一歩:版籍奉還(1869年)

江戸時代、土地(版)と人民(籍)は各大名(藩主)が支配していました。

これでは国がバラバラのままなので、政府はまずこの仕組みを変えようとしました。

目的:

全国の土地と人民を、藩主個人のものではなく、天皇(=国)のものであるという原則を確立するため。

内容:

薩摩・長州・土佐・肥前といった有力な藩が率先して、藩主が支配していた土地と人民を天皇に「お返し(奉還)」しました。

これを見て、全国の藩も次々にこれにならいました。

ただし…:

元の藩主は、そのまま知藩事(ちはんじ)という役職に任命され、引き続きその土地の政治を行いました。

つまり、名前は変わりましたが、実質的な支配の仕組みはあまり変わりませんでした。

版籍奉還は、まだ形式的な一歩でしたが、「国を一つにまとめる」という考え方を全国に示す上で非常に重要な意味を持ちました。

 

3. 中央集権国家の完成:廃藩置県(1871年)

版籍奉還だけでは、まだ国がまとまったとは言えませんでした。

そこで政府は、より強力な改革を断行します。

目的:

藩という仕組みを完全になくし、政府が全国を直接支配する中央集権国家を完成させるため。

内容:

全国すべての藩を廃止し、代わりに県を設置しました。

知藩事は全員やめさせられ、東京に移り住むことを命じられました。

そして、各県には、政府が選んだ役人である県令(けんれい、後の県知事)を派遣し、治めさせました。

意義:

この改革によって、江戸時代から約260年続いた大名による地方支配が完全に終わりました。

税金を集めたり、軍隊を組織したりする権限がすべて政府に集中し、日本は初めて政治的に統一された近代国家となったのです。

 

まとめ:改革の流れ

この3つの改革は、以下のようにつながっています。

五箇条の御誓文

新しい国づくりの「基本方針」を示す。

版籍奉還

中央集権化への「第一歩(準備段階)」。

形式的に土地と人民を天皇に返させる。

廃藩置県

中央集権化の「完成」。

藩をなくし、政府が全国を直接支配する仕組みを作り上げる。

この一連の改革を通じて、明治政府は「富国強兵」(国を豊かにし、軍隊を強くする)を進めるための強力な土台を築き上げていったのです。

 

歴史
人類の出現 旧石器時代、新石器時代 四大文明 ギリシャ・ローマの古典文明 日本のあけぼの:旧石器時代、縄文時代 日本のあけぼの:弥生時代 大和政権と古墳時代:邪馬台国と卑弥呼 大和政権と古墳時代:大和政権と古墳 大和政権と古墳時代:大陸との交流 飛鳥時代:仏教の伝来 飛鳥時代:聖徳太子の政治 飛鳥時代:大化の改新と律令国家 飛鳥時代:白村江の戦い 奈良時代:律令制度と平城京 奈良時代:班田収授法と租・庸・調 奈良時代:聖武天皇と国分寺・東大寺 奈良時代:天平文化 平安時代:平安京への遷都 平安時代:摂関政治 平安時代:武士の発生 平安時代:国風文化 平安時代:院政と平氏 鎌倉時代:鎌倉幕府の成立 鎌倉時代:御家人と封建制度 鎌倉時代:承久の乱と執権政治 鎌倉時代:元寇 鎌倉時代:鎌倉仏教 室町時代:建武の新政と南北朝 室町時代:室町幕府の成立 室町時代:勘合貿易 室町時代:応仁の乱と戦国時代 室町時代:北山文化と東山文化 安土桃山時代:戦国大名の登場 安土桃山時代:ヨーロッパ人との出会い 安土桃山時代:豊臣秀吉による天下統一 安土桃山時代:桃山文化 江戸時代:江戸幕府の成立 江戸時代:幕藩体制 江戸時代:士農工商の身分制度 江戸時代:鎖国政策 江戸時代:産業の発達と交通網の整備 江戸時代:元禄文化 江戸時代:江戸時代の三大改革 江戸時代:化政文化 江戸時代:欧米列強の接近と幕府の動揺 江戸時代:開国と幕末の動乱 明治時代:大政奉還、王政復古 明治時代:明治維新 明治時代:富国強兵 明治時代:文明開化 明治時代:自由民権運動と大日本帝国憲法 明治時代:日清戦争・日露戦争 明治時代:不平等条約の改正 明治時代:日韓併合 世界の動き:市民革命 世界の動き:産業革命 世界の動き:アジアの植民地化 大正時代:第一次世界大戦と日本の参戦 大正時代:大正デモクラシー 大正時代:米騒動、社会運動の活発化 昭和時代:世界恐慌と日本の経済危機 昭和時代:軍部の台頭と満州事変 昭和時代:日中戦争と第二次世界大戦 昭和時代:ポツダム宣言受諾と日本の敗戦 昭和時代:民主化政策と日本国憲法 昭和時代:二つの条約 昭和時代:高度経済成長と国民生活の変化 昭和時代:公害問題 世界の動き:国際連合の発足 世界の動き:冷戦 世界の動き:アジア・アフリカ諸国の独立 世界の動き:冷戦の終結とグローバル化 平成時代:日本のバブル経済とその崩壊 現代:現代社会の課題 現代:新型コロナウイルスの流行と影響