国際連合が作られる前にも、世界平和を目指す国際組織がありました。
それが、第一次世界大戦後に作られた「国際連盟」です。
しかし、国際連盟にはいくつかの大きな弱点がありました。
大国の不参加: 提案国であったアメリカが、議会の反対で参加しませんでした。
また、途中でドイツや日本が脱退し、ソ連も除名されるなど、世界の主要な国がそろっていませんでした。
制裁方法の限界: 他国に言うことを聞かせるための手段が、経済的な制裁に限られていました。
軍事的な制裁(武力行使)ができなかったため、侵略行為を止める力がありませんでした。
全会一致の原則: 何かを決めるには、すべての参加国の賛成が必要でした。
そのため、一つの国でも反対すると何も決められず、迅速な対応ができませんでした。
これらの弱点のために、国際連盟は第二次世界大戦を防ぐことができませんでした。
この反省から、「今度こそ、本当に平和を維持できる、もっと強力な国際組織を作ろう!」という機運が、第二次世界大戦の最中から高まっていったのです。
いつ?: 第二次世界大戦が終わった直後の1945年10月。
どこで?: アメリカのサンフランシスコで国際連合憲章が採択され、正式に発足しました。
本部: ニューヨークに置かれています。
目的: 国際連合憲章の第一条で、以下の4つの大きな目的が掲げられています。
国際の平和と安全を維持すること。
(最も重要な目的)
各国の間の友好関係を発展させること。
経済的、社会的、文化的な問題の解決について国際協力をすること。
基本的人権の尊重を進めること。
国際連合は、国際連盟の失敗を繰り返さないため、いくつかの重要な特徴を持っています。
総会:
すべての加盟国で構成され、各国がそれぞれ1票を持っています。
世界の様々な問題について話し合い、勧告(「こうした方が良い」とすすめること)などを決議します。
「世界の議会」とも呼ばれます。
安全保障理事会(安保理):
国際の平和と安全の維持に対して、最も大きな責任と権限を持っています。
5つの常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)と、任期2年の10の非常任理事国の、合計15か国で構成されています。
【最大の特徴】:
平和を乱す国に対して、経済制裁だけでなく、軍事的な措置(武力行使)をとることを決定できます。
何かを決定するには、9か国以上の賛成が必要ですが、常任理事国は「拒否権」を持っています。
つまり、常任理事国のうち1か国でも反対すれば、その議案は採択されません(大国一致の原則)。
国際司法裁判所:
国と国との間の争いを、法律に基づいて平和的に解決するための裁判所です。
その他の専門機関:
ユネスコ(国連教育科学文化機関)やWHO(世界保健機関)、ユニセフ(国連児童基金)など、様々な専門分野で活動する機関と連携しています。
日本は、第二次世界大戦の敗戦国だったため、発足当初は加盟が認められませんでした。
サンフランシスコ平和条約で独立を回復した後、1956年に正式に加盟が認められました。
その後、日本は国連の活動に積極的に参加し、特にPKO(国連平和維持活動)への協力や、発展途上国への経済援助などで重要な役割を果たしています。
国際連合は、紛争の解決や難民支援、環境問題への取り組みなどで大きな成果を上げてきましたが、課題も残されています。
拒否権の問題: 安全保障理事会では、常任理事国の利害が対立すると、拒否権が使われてしまい、重要な問題でも何も決められないことがあります。
国連軍の不在: 国際連合は、独自の常設軍隊を持っていません。
そのため、軍事的な措置が必要な場合は、加盟国に軍隊の派遣を要請するしかありません。
それでも、国際連合は、人類が戦争の悲劇を乗り越え、対話によって平和な世界を築くために作り上げた、かけがえのない国際組織なのです。