室町時代:北山文化と東山文化

 

 

北山文化と東山文化

室町時代には、二人の対照的な将軍を中心に、それぞれ特徴の異なる文化が花開きました。

幕府の力が最も輝いていた頃の「北山文化」と、応仁の乱を経て、静かな美しさを求めた「東山文化」です。

 

1. 北山文化:豪華で力強い、公家と武士のミックスカルチャー

室町時代の前期、幕府の全盛期を築いた3代将軍・足利義満の時代に栄えた文化です。

義満が京都の北山に建てた別荘が中心であったことから、「北山文化」と呼ばれます。

特徴:

武家文化と公家文化が融合し、さらに明(中国)との勘合貿易によってもたらされた大陸文化の影響も受けた、豪華で力強い文化です。

将軍の権力の大きさを内外に示すような、きらびやかな側面を持っています。

代表的なもの:

建築:鹿苑寺金閣(金閣)

義満が建てた金閣は、北山文化を象徴する建物です。

三層構造になっており、各層が異なる建築様式で建てられています。

一層(一階):公家風の寝殿造

二層(二階):武家風の書院造

三層(三階):禅宗様式の仏殿

芸能:能(能楽)と狂言

観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)の親子が、それまでの猿楽や田楽をもとに、物語性のある能(能楽)として大成させました。

義満はこれを手厚く保護しました。

能の合間に演じられた、庶民の日常を題材にした喜劇が狂言です。

 

2. 東山文化:簡素で落ち着いた「わび・さび」の文化

室町時代の後期、応仁の乱のころに、文化人としても知られた8代将軍・足利義政の時代に生まれた文化です。

義政が京都の東山に建てた別荘が中心であったことから、「東山文化」と呼ばれます。

特徴:

応仁の乱による社会の混乱や、禅の精神の影響を受け、**簡素で静かなものの中に美しさを見出す「わび・さび」**という美意識が重視されました。

派手さよりも、内面的な精神性を大切にする文化です。

代表的なもの:

建築:慈照寺銀閣(銀閣)

義政が建てた銀閣は、東山文化の象徴です。

金閣とは対照的に、華やかさはありませんが、落ち着いた美しさを持っています。

銀箔は貼られていません。

銀閣に付属する東求堂同仁斎(とうぐどうどうじんさい)は、書院造の原型とされ、床の間や違い棚、畳、障子といった、現在の和室の原型となりました。

絵画:水墨画

禅の精神と結びつき、墨の濃淡だけで自然などを表現する水墨画が発展しました。

特に**雪舟(せっしゅう)**は、明で絵を学んだ後、日本の自然を描き、日本独自の水墨画を大成しました。

代表作に『秋冬山水図』や『天橋立図』などがあります。

庭園:枯山水(かれさんすい)

水を使わずに、石や砂で山や水の流れを表現する庭園様式です。

京都の竜安寺の石庭などが有名です。

生活文化:茶の湯・華道

茶の湯(茶道):村田珠光(むらたじゅこう)が、禅の精神を取り入れ、簡素な茶室で精神的な交流を重んじる「わび茶」を始めました。

華道(花道):生け花が成立し、池坊専慶(いけのぼうせんけい)などが活躍しました。

 

北山文化と東山文化の比較まとめ

北山文化 東山文化
中心人物 3代将軍 足利義満 8代将軍 足利義政
時代 室町時代前期(幕府の最盛期) 室町時代後期(応仁の乱のころ)
特徴 豪華で力強い(公家+武家+大陸) 簡素で静か(わび・さび)
代表建築 鹿苑寺金閣 慈照寺銀閣
建築様式 寝殿造など 書院造(和室の原型)
芸能・芸術 能・狂言(観阿弥・世阿み) 水墨画(雪舟)、茶の湯、華道

応仁の乱で多くの文化人が京都から地方へ逃れたため、東山文化は全国に広まり、その後の日本の文化に大きな影響を与えました。

 

歴史
人類の出現 旧石器時代、新石器時代 四大文明 ギリシャ・ローマの古典文明 日本のあけぼの:旧石器時代、縄文時代 日本のあけぼの:弥生時代 大和政権と古墳時代:邪馬台国と卑弥呼 大和政権と古墳時代:大和政権と古墳 大和政権と古墳時代:大陸との交流 飛鳥時代:仏教の伝来 飛鳥時代:聖徳太子の政治 飛鳥時代:大化の改新と律令国家 飛鳥時代:白村江の戦い 奈良時代:律令制度と平城京 奈良時代:班田収授法と租・庸・調 奈良時代:聖武天皇と国分寺・東大寺 奈良時代:天平文化 平安時代:平安京への遷都 平安時代:摂関政治 平安時代:武士の発生 平安時代:国風文化 平安時代:院政と平氏 鎌倉時代:鎌倉幕府の成立 鎌倉時代:御家人と封建制度 鎌倉時代:承久の乱と執権政治 鎌倉時代:元寇 鎌倉時代:鎌倉仏教 室町時代:建武の新政と南北朝 室町時代:室町幕府の成立 室町時代:勘合貿易 室町時代:応仁の乱と戦国時代 室町時代:北山文化と東山文化 安土桃山時代:戦国大名の登場 安土桃山時代:ヨーロッパ人との出会い 安土桃山時代:豊臣秀吉による天下統一 安土桃山時代:桃山文化 江戸時代:江戸幕府の成立 江戸時代:幕藩体制 江戸時代:士農工商の身分制度 江戸時代:鎖国政策 江戸時代:産業の発達と交通網の整備 江戸時代:元禄文化 江戸時代:江戸時代の三大改革 江戸時代:化政文化 江戸時代:欧米列強の接近と幕府の動揺 江戸時代:開国と幕末の動乱 明治時代:大政奉還、王政復古 明治時代:明治維新 明治時代:富国強兵 明治時代:文明開化 明治時代:自由民権運動と大日本帝国憲法 明治時代:日清戦争・日露戦争 明治時代:不平等条約の改正 明治時代:日韓併合 世界の動き:市民革命 世界の動き:産業革命 世界の動き:アジアの植民地化 大正時代:第一次世界大戦と日本の参戦 大正時代:大正デモクラシー 大正時代:米騒動、社会運動の活発化 昭和時代:世界恐慌と日本の経済危機 昭和時代:軍部の台頭と満州事変 昭和時代:日中戦争と第二次世界大戦 昭和時代:ポツダム宣言受諾と日本の敗戦 昭和時代:民主化政策と日本国憲法 昭和時代:二つの条約 昭和時代:高度経済成長と国民生活の変化 昭和時代:公害問題 世界の動き:国際連合の発足 世界の動き:冷戦 世界の動き:アジア・アフリカ諸国の独立 世界の動き:冷戦の終結とグローバル化 平成時代:日本のバブル経済とその崩壊 現代:現代社会の課題 現代:新型コロナウイルスの流行と影響