時期: 17世紀の終わりから18世紀の初めごろ(5代将軍・徳川綱吉の時代が中心)。
「元禄」という年号から、元禄文化と呼ばれます。
中心地: 上方(かみがた)と呼ばれる京都・大坂。
当時の経済・文化の中心地でした。
担い手: 町人。
経済的に豊かになった町人たちが、新しい文化の主役となりました。
特色: 現実的で人間味あふれる、生き生きとした明るい文化です。
武士 중심의荘厳な文化とは違い、町人たちの日常生活や感情がストレートに表現されました。
「浮世草子」とは、当時の町人たちの姿をリアルに描いた小説のことです。
「浮世」とは「現代風の」といった意味で、町人の恋愛や仕事(お金儲け)、暮らしぶりなどが生き生きと描かれ、人気を博しました。
代表的な作者: 井原西鶴(いはら さいかく)
主な作品:
『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』:ある男性の恋愛遍歴を描いた作品。
『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』:商人たちがお金を儲けたり、失敗したりする話をまとめた作品。
『世間胸算用(せけんむねさんよう)』:大晦日の借金の取り立てをめぐる町人たちの悲喜こもごもを描いた作品。
五・七・五の短い句で季節の風景や感情を表現する俳諧(後の俳句)が、庶民の間で大流行しました。
この俳諧を、芸術的なレベルにまで高めたのが松尾芭蕉です。
代表的な人物: 松尾芭蕉(まつお ばしょう)
功績: わび・さび(静かで奥深い美しさ)を取り入れた芸術性の高い作風(蕉風 しょうふう)を確立しました。
主な作品: 紀行文『奥の細道(おくのほそみち)』
芭蕉が弟子とともに東北地方などを旅した記録で、旅先で詠んだ多くの有名な句が収められています。
有名な句: 「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」など
「浮世絵」は、当時の町人たちの生活や風俗、人気の役者などを描いた絵画です。
特に、木版画の技術が発達し、美しい多色刷りの版画が安価で手に入るようになったため、庶民の間で広く親しまれました。
代表的な作者: 菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)
功績: それまで本の挿絵などが中心だった木版画を、一枚の独立した鑑賞用の絵画として確立し、「浮世絵の祖」と呼ばれています。
主な作品: 『見返り美人図(みかえりびじんず)』
着物を着た女性が、ふと後ろを振り返る一瞬の姿を描いた肉筆画(版画ではなく、直接描いた絵)で、師宣の代表作として非常に有名です。
庶民の娯楽として、演劇も大変な人気を集めました。
人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり): 三味線の音楽と語りに合わせて人形を操る劇です。
歌舞伎(かぶき): 役者が豪華な衣装で演じる劇です。
代表的な作者: 近松門左衛門(ちかまつ もんざえもん)
人形浄瑠璃や歌舞伎の脚本家として活躍しました。
町人社会で実際に起きた心中事件などを題材に、人間の義理や人情を細やかに描き、人々の涙を誘いました。
主な作品: 『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』
このように、元禄文化は経済的な発展を背景に、町人たちが生み出した人間味あふれる文化であり、後の江戸文化の基礎となっていきました。