明治時代:不平等条約の改正

 

 

1. そもそも「不平等条約」とは?

まず、何が「不平等」だったのか、2つの大きな問題点をおさらいしましょう。

これらは、日米修好通商条約(1858年)などで決められてしまった、日本にとって非常に不利な内容でした。

問題点①:領事裁判権(治外法権)を認める

内容: 外国人が日本で罪を犯しても、日本の法律で裁くことができませんでした。

その外国人の国の領事が、その国の法律で裁判を行いました。

何が問題か: 日本の警察が外国人を逮捕しても、裁判で軽い罰になったり、無罪になったりすることがあり、日本の主権が及ばない状態でした。

問題点②:関税自主権がない

内容: 日本が、外国から入ってくる輸入品にかける税金(関税)の税率を、自由に決めることができませんでした。

何が問題か: 安い外国製品が大量に入ってきても、関税を高くして国内の産業を守ることができません。

これにより、日本の産業が大きな打撃を受ける可能性がありました。

この2つの大きな問題を解決し、欧米諸国と対等な関係になることが、明治政府にとっての最大の外交課題でした。

 

2. 条約改正への長い道のり

明治政府は、発足直後から条約改正の交渉を始めますが、道のりは非常に険しいものでした。

① 最初の挑戦と失敗:岩倉使節団

1871年、岩倉具視を全権大使とする大規模な使節団を欧米に派遣し、条約改正の交渉を試みました。

しかし、欧米諸国から「日本にはまだ近代的な法律も憲法もない。

そんな国と対等な条約は結べない」と、全く相手にされませんでした。

この失敗を通じて、政府は「まず国内の制度を整え、日本が近代国家であることを欧米に認めさせなければならない」と痛感します。

② 国内の近代化と国力のアピール

交渉を成功させるため、政府は2つの方向から努力を重ねました。

国内の整備: 大日本帝国憲法を発布し、議会を開設。

また、民法や刑法といった近代的な法律を整備し、日本が法治国家であることを示しました。

国力の向上: 「富国強兵」を進め、日清戦争や日露戦争に勝利することで、日本が軍事力・経済力を持つ強い国であることを世界にアピールしました。

 

3. ついに達成!二段階の改正

これらの努力が実を結び、条約改正は二段階に分けて達成されました。

Step 1:領事裁判権の撤廃(1894年)

中心人物: 外務大臣 陸奥宗光(むつ むねみつ)

背景:

日本が日清戦争を始める直前のタイミングでした。

当時、世界最強国であったイギリスは、ロシアの南下を警戒しており、アジアにおける日本の力を利用したいと考えていました。

成果:

陸奥宗光は、この国際情勢を巧みに利用し、まずイギリスとの間で領事裁判権を撤廃することに成功しました。

イギリスが認めたことで、他の欧米諸国も次々にこれにならい、長年の悲願であった治外法権の撤廃が達成されました。

Step 2:関税自主権の完全な回復(1911年)

中心人物: 外務大臣 小村寿太郎(こむら じゅたろう)

背景:

日本が日露戦争に勝利し、その国力が世界に認められた後でした。

日本の国際的地位は飛躍的に高まっていました。

成果:

小村寿太郎は、強くなった日本の立場を背景に、まずアメリカとの交渉に成功。

これを機に、すべての国との間で条約が改正され、ついに関税自主権を完全に取り戻すことができました。

 

まとめ

領事裁判権の撤廃 関税自主権の回復
達成年 1894年 1911年
中心人物 陸奥宗光 小村寿太郎
大きな背景 日清戦争の直前 日露戦争の後

このように、不平等条約の改正は、幕末に国を開いてから約50年もの年月をかけた、明治日本の国家的な大事業でした。

これは、外交官たちの粘り強い交渉はもちろんのこと、憲法制定や戦争の勝利といった、日本の近代化への努力全体が実を結んだ結果だったのです。

 

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