昭和時代:日中戦争と第二次世界大戦

 

 

1. 日中戦争の始まりと泥沼化(1937年〜)

満州事変後も、日本は中国大陸への進出を続けており、日中間の緊張は非常に高まっていました。

きっかけ:盧溝橋(ろこうきょう)事件(1937年)

北京郊外の盧溝橋で、日本軍と中国軍との間で起きた小さな武力衝突事件がきっかけとなりました。

当初は現地で解決する動きもありましたが、日本の政府は軍部の強硬な意見を抑えきれず、中国への派兵を決定。

これが日中戦争という全面戦争へと発展しました。

日本軍の誤算と戦争の長期化

日本軍は、最新の兵器を持ち、「短期決戦で、一撃すれば中国は降伏するだろう」と軽く考えていました。

実際に、日本軍は首都の南京を占領するなど、主要な都市を次々と攻略しました(この際、多くの中国人の捕虜や民間人を殺害する南京事件が起きました)。

しかし、中国は降伏しませんでした。

対立していた国民党(蔣介石)と共産党(毛沢東)が、日本の侵略に対抗するために手を結び(抗日民族統一戦線)、首都を奥地の重慶に移して、アメリカやイギリスの支援を受けながら粘り強く抵抗を続けたのです。

この結果、日本の思惑は外れ、戦争は終わりが見えない「泥沼」の状態に陥っていきました。

 

2. 世界の動き:第二次世界大戦の勃発(1939年)

日本が中国で苦戦している頃、ヨーロッパでも大きな戦争が始まります。

ファシズム国家の台頭

ドイツではヒトラー率いるナチス、イタリアではムッソリーニが独裁政治を行い、領土を拡大しようとしていました。

第二次世界大戦の開始

1939年、ドイツがポーランドに侵攻したことをきっかけに、イギリスやフランスがドイツに宣戦布告。

第二次世界大戦が始まりました。

 

3. 日本の選択:南進とアメリカとの対立

日中戦争の長期化で、日本は武器や燃料などの資源が不足し、非常に苦しい状況に追い込まれていました。

なぜ南へ向かったのか?

資源の確保: 石油、ゴム、鉄鉱石といった、戦争を続けるために不可欠な資源が豊富な東南アジアを支配しようと考えました。

援蒋ルートの遮断: 中国(蔣介石)を支援しているアメリカやイギリスのルート(援蒋ルート)を断ち切る目的もありました。

国際的孤立と三国同盟

国際連盟を脱退し、満州事変などで国際的に孤立していた日本は、同じくアメリカやイギリスと対立していたドイツ、イタリアと手を結び、1940年に日独伊三国同盟を結成しました。

アメリカとの対立激化

日本が援蒋ルートを断つためにフランス領インドシナ北部(現在のベトナム北部)に進駐すると、アメリカはこれを強く非難。

日本への屑鉄や石油などの輸出を禁止・制限する経済制裁で対抗しました。

 

4. 太平洋戦争への突入(1941年)

追い詰められた日本は、さらに危険な賭けに出ます。

決定的な対立:石油の全面禁輸

日本は、さらなる資源を求めてフランス領インドシナ南部への進駐を強行しました。

これに対し、アメリカは最も厳しい対抗措置として、日本への石油の全面的な輸出禁止を決定します。

オランダやイギリスもこれに同調し、日本は石油の8割以上を断たれることになりました(ABCD包囲網)。

開戦の決断

石油を止められた日本では、「このままでは数ヶ月で国が動かなくなる。

アメリカと戦争をしてでも、南方の資源地帯を確保するしかない」という意見が軍部を中心に支配的になりました。

政府は最後までアメリカとの外交交渉を試みましたが、決裂に終わります。

真珠湾攻撃

1941年12月8日(日本時間)、日本海軍はハワイのオアフ島にあるアメリカ海軍基地・真珠湾を奇襲攻撃しました。

同時に、イギリス領のマレー半島にも上陸を開始。

これにより、日本とアメリカ・イギリスなど連合国との間で太平洋戦争が始まりました。

 

この太平洋戦争は、すでに始まっていていた日中戦争、そしてヨーロッパでの第二次世界大戦と一体化し、世界全体を巻き込む未曾有の大戦争へと発展していったのです。

 

歴史
人類の出現 旧石器時代、新石器時代 四大文明 ギリシャ・ローマの古典文明 日本のあけぼの:旧石器時代、縄文時代 日本のあけぼの:弥生時代 大和政権と古墳時代:邪馬台国と卑弥呼 大和政権と古墳時代:大和政権と古墳 大和政権と古墳時代:大陸との交流 飛鳥時代:仏教の伝来 飛鳥時代:聖徳太子の政治 飛鳥時代:大化の改新と律令国家 飛鳥時代:白村江の戦い 奈良時代:律令制度と平城京 奈良時代:班田収授法と租・庸・調 奈良時代:聖武天皇と国分寺・東大寺 奈良時代:天平文化 平安時代:平安京への遷都 平安時代:摂関政治 平安時代:武士の発生 平安時代:国風文化 平安時代:院政と平氏 鎌倉時代:鎌倉幕府の成立 鎌倉時代:御家人と封建制度 鎌倉時代:承久の乱と執権政治 鎌倉時代:元寇 鎌倉時代:鎌倉仏教 室町時代:建武の新政と南北朝 室町時代:室町幕府の成立 室町時代:勘合貿易 室町時代:応仁の乱と戦国時代 室町時代:北山文化と東山文化 安土桃山時代:戦国大名の登場 安土桃山時代:ヨーロッパ人との出会い 安土桃山時代:豊臣秀吉による天下統一 安土桃山時代:桃山文化 江戸時代:江戸幕府の成立 江戸時代:幕藩体制 江戸時代:士農工商の身分制度 江戸時代:鎖国政策 江戸時代:産業の発達と交通網の整備 江戸時代:元禄文化 江戸時代:江戸時代の三大改革 江戸時代:化政文化 江戸時代:欧米列強の接近と幕府の動揺 江戸時代:開国と幕末の動乱 明治時代:大政奉還、王政復古 明治時代:明治維新 明治時代:富国強兵 明治時代:文明開化 明治時代:自由民権運動と大日本帝国憲法 明治時代:日清戦争・日露戦争 明治時代:不平等条約の改正 明治時代:日韓併合 世界の動き:市民革命 世界の動き:産業革命 世界の動き:アジアの植民地化 大正時代:第一次世界大戦と日本の参戦 大正時代:大正デモクラシー 大正時代:米騒動、社会運動の活発化 昭和時代:世界恐慌と日本の経済危機 昭和時代:軍部の台頭と満州事変 昭和時代:日中戦争と第二次世界大戦 昭和時代:ポツダム宣言受諾と日本の敗戦 昭和時代:民主化政策と日本国憲法 昭和時代:二つの条約 昭和時代:高度経済成長と国民生活の変化 昭和時代:公害問題 世界の動き:国際連合の発足 世界の動き:冷戦 世界の動き:アジア・アフリカ諸国の独立 世界の動き:冷戦の終結とグローバル化 平成時代:日本のバブル経済とその崩壊 現代:現代社会の課題 現代:新型コロナウイルスの流行と影響