一言でいうと、「個人や企業が、市場(しじょう)で、モノやサービスを自由に売り買いする中で、その価格や生産量が決まっていく経済の仕組み」のことです。
スーパーマーケットや商店街のように、実際に売り手と買い手が集まる場所だけでなく、インターネットの通信販売や、株の取引なども、すべて「市場」です。
この市場経済では、政府が「このパンは100円で売りなさい」と命令するのではなく、売り手と買い手の自由なやり取りの中で、自然と価格が決まっていきます。
では、市場で価格はどのように決まるのでしょうか。
それを説明するのが「需要(じゅよう)」と「供給(きょうきゅう)」という考え方です。
意味:消費者が、「その商品を、その価格なら買いたい(欲しい)と思う量」のことです。
特徴:
● 価格が高いと、買いたいと思う人は少なくなります。(需要量は減る)
● 価格が安いと、買いたいと思う人は多くなります。(需要量は増える)
グラフ:この関係をグラフにすると、右下がりの曲線になります。
これを需要曲線といいます。
意味:生産者(企業)が、「その商品を、その価格なら売りたい(作りたい)と思う量」のことです。
特徴:
● 買いたいと思う人が多いと、儲けが大きくなるので、たくさん売りたいと思う企業は多くなります。(供給量は増える)
● 買いたいと思う人が少ないと、あまり儲からないので、売りたいと思う企業は少なくなります。(供給量は減る)
グラフ:この関係をグラフにすると、右上がりの曲線になります。
これを供給曲線といいます。
市場では、この需要と供給のバランスによって、価格が自動的に調整されていきます。
● 価格が高すぎるとき:
売りたい量(供給量)は多いのに、買いたい量(需要量)は少ない状態になります。(超過供給)
商品が売れ残ってしまうため、生産者は価格を下げてでも売ろうとします。
● 価格が安すぎるとき:
買いたい量(需要量)は多いのに、売りたい量(供給量)は少ない状態になります。(超過需要)
商品が品不足になるため、消費者は「もっと高くてもいいから欲しい」と考え、生産者は価格を上げても売れると判断します。
● 価格がちょうどよいとき:
買いたい量(需要量)と、売りたい量(供給量)がちょうど一致します。
このときの価格を「均衡価格(きんこうかかく)」といい、市場での取引はこの価格で安定します。
このように、価格が需要と供給のバランスをとるための調整役を果たす機能を、「価格の自動調節機能」といいます。
しかし、この市場経済の仕組みが、常にうまく機能するとは限りません。
その代表例が「独占・寡占」です。
ある商品の生産を、一社だけが行なっている状態。
ある商品の生産を、少数の企業(数社)が支配している状態。(例:携帯電話会社、ビール会社など)
市場にライバル企業がいない、または非常に少ないため、企業間で価格や品質を良くしようとする競争が起こらなくなります。
競争がないため、企業は価格を自由に高く設定することができます。
これを「管理価格」といい、価格が下がりにくくなります(価格の下方硬直性)。
また、努力しなくても売れるため、商品の品質が向上しなかったり、新しい商品が開発されなかったりする恐れがあります。
本来、市場経済のメリットである「価格の自動調節機能」が働かなくなり、私たち消費者だけが、質の良くない商品を、高い値段で買わされるという、大きな不利益を被ることになります。
このような市場の失敗を防ぎ、公正な競争を守るために、国は「独占禁止法」という法律を定めています。
そして、この法律が正しく運用されているかを監視する機関として、「公正取引委員会」が設置されています。
市場経済は、自由な競争があってこそ、そのメリットを最大限に発揮できるのです。
● 流通 : 生産された商品が、消費者に届くまでの道筋。
● 商業 : 流通を専門的に行う、卸売業と小売業。
市場価格:需要量と供給量の関係で決まる。
需要<供給 → 価格は下がる
需要>供給 → 価格は上がる
均衡価格:需要量と供給量が一致した時の価格。
生産の三要素:自然、労働、資本
● 企業:生産活動を行う経済主体。
● 企業の独占形態:カルテル、トラスト、コンツェルン
独占禁止法:独占価格、寡占価格の禁止