一言でいうと、「お金が余っているところから、お金が足りないところへ、お金を融通(ゆうずう)すること」です。
お金が余っている人・組織
● 家計(私たち):給料の一部を、将来のために銀行などに預金する。
● 企業:儲かった利益(利潤)の一部を預金する。
お金が足りない人・組織
● 家計:住宅ローンを組んで、家を買う。
● 企業:銀行からお金を借り入れて、新しい工場を建てる。
● 政府:国債を発行して、公共事業などを行なう。
このお金の貸し借りを仲介するのが、銀行や信用金庫、証券会社といった「金融機関」です。
金融機関があることで、世の中のお金が有効に活用され、経済全体がスムーズに動くのです。
日本銀行(日銀)は、日本で唯一の「中央銀行」です。
一般の銀行(市中銀行)とは違い、私たち個人や一般企業と直接取引はしません。
日銀は、金融全体のリーダーとして、特別な3つの役割を担っています。
役割:一般の銀行(三菱UFJ銀行、みずほ銀行など)を相手にお金の貸し借りを行ないます。
具体的に:
● 一般の銀行から預金を預かります。
● 一般の銀行にお金を貸し出します。
● 最後の貸し手として、経営が危なくなった銀行を救済することもあり、「最後の貸し手」とも呼ばれます。
役割:政府(国)のお金を管理する「政府のお財布」の役割を果たします。
具体的に:
● 国民から集められた税金などを、政府預金として預かります。
● 年金や公共事業など、政府の様々な支払いを行ないます。
● 政府が発行する国債の募集や管理も行ないます。
役割:日本で唯一、紙幣(日本銀行券)を発行できる銀行です。
具体的に:
● 私たちが使っているお札(一万円札、五千円札など)は、すべて日本銀行が印刷して、世の中に送り出しています。
(※硬貨(コイン)は、政府である財務省が発行しています)
上記の3つの役割の中でも、日本銀行の最も重要な仕事は、「物価の安定」を図ることです。
物価が急激に上がったり(インフレーション)、下がり続けたり(デフレーション)すると、私たちの生活や経済活動は非常に不安定になってしまいます。
そこで、日本銀行は、景気が良すぎたり、悪すぎたりするのを調整するために、「金融政策」という手段を使います。
日本銀行が、世の中に出回るお金の量(マネーサプライ)や、金利(お金のレンタル料)を調整することで、景気を安定させようとする政策です。
その代表的な方法が「公開市場操作(オープン・マーケット・オペレーション)」です。
目的:世の中にお金をもっと出回らせて、企業がお金を借りやすくし、経済活動を活発にしたい。
日銀の行動:
一般の銀行が持っている国債などの有価証券を、日銀が買い取ります(買いオペレーション)。
結果:
①日銀が代金を支払うので、一般の銀行の手持ちのお金が増えます。
②お金に余裕ができた一般の銀行は、企業や個人への貸し出しを増やしやすくなります。
③貸し出しを増やすために、金利を引き下げます。
④企業や個人は、低い金利でお金を借りられるので、設備投資をしたり、住宅を買ったりしやすくなります。
⑤結果として、世の中全体の景気が上向くことが期待されます。
目的:世の中に出回っているお金を減らして、過熱した経済活動を少し落ち着かせたい。
日銀の行動:
日銀が持っている国債などの有価証券を、一般の銀行に売ります(売りオペレーション)。
結果:
①一般の銀行が代金を支払うので、銀行の手持ちのお金が減ります。
②お金に余裕がなくなった一般の銀行は、企業や個人への貸し出しを控えめにします。
③貸し出しを抑えるために、金利を引き上げます。
④企業や個人は、高い金利でお金を借りにくくなるので、設備投資や大きな買い物を控えるようになります。
⑤結果として、過熱した景気が冷やされ、急激なインフレが抑えられることが期待されます。
このように、日本銀行は、金融政策という専門的な手段を使って、日本経済全体の安定という、非常に重要な役割を担っているのです。
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