国際社会と国際経済:国家と国際連合の役割

 

 

1. 国家とは何か? — 国家の三要素

国際社会は、主権を持つ多数の主権国家によって成り立っています。

一つの国、つまり「国家」が成立するためには、次の三つの要素が必要であるとされています。

国家の三要素(領域、国民、主権)の説明
要素 説明
領域
(りょういき)
その国の主権が及ぶ範囲のことです。領土、領海、領空の3つから構成されます。
領土:国の陸地部分。
領海:領土の沿岸から12海里(約22km)までの海域。
領空:領土と領海の上空。
※この他に、沿岸から200海里(約370km)までの、水産資源や鉱産資源を優先的に得られる排他的経済水域(EEZ)があります。
これは領域には含まれません。
国民 その国の国籍を持つ人々のことです。
主権 他の国からの干渉を受けずに、自国の政治のあり方を最終的に決定する力(対外的主権)と、国内を統治する最高の権力(対内的主権)のことです。

 

これらの三要素がそろうことで、一つの国家として国際社会で認められます。

国家間の関係を規律するルールとして「国際法」がありますが、国内法のように違反者を罰する警察や裁判所のような強制力は強くありません。

 

2. 国際連合の役割 — 世界の平和と安全のために

二度の大きな世界大戦の反省から、国際平和と安全を維持し、各国間の協力を進めるために、1945年に国際連合国連が設立されました。

本部はアメリカのニューヨークに置かれています。

 

国際連合の主な目的

国連憲章では、主に以下の4つの目的が掲げられています。

①世界の平和と安全を維持すること

②国々の間の友好関係を発展させること

③経済的、社会的な問題の解決や、人権の尊重のために協力すること

④これらの目的を達成するために、各国の中心となって調整(調和)を図ること

 

国際連合の主な機関

国連は、これらの目的を達成するために様々な機関を置いて活動しています。

国際連合の主な機関名とその構成・役割
機関名 構成と役割
総会 全ての加盟国(2024年現在193か国)で構成されます。
世界の様々な問題について話し合い、勧告などを行います。
各国は国の大きさに関わらず一国一票の投票権を持ちます。
安全保障理事会
安保理
国際の平和と安全の維持に主要な責任を持つ、最も重要な機関の一つです。
アメリカイギリスフランスロシア中国の5つの常任理事国と、任期2年で総会で選ばれる10の非常任理事国で構成されます。
拒否権常任理事国拒否権を持っており、1か国でも反対すると決議案は採択されません。
このため、大国の利害が対立すると安保理が機能しなくなるという問題点も指摘されています。
国際司法裁判所
ICJ
国家間の紛争を、国際法に基づいて平和的に解決するための裁判所です。
オランダのハーグにあります。
ただし、紛争当事国の両方が裁判に同意しなければ、裁判を開くことができないという限界もあります。
経済社会理事会 経済、社会、文化、教育、人権などの分野で活動する専門機関(WHO、UNESCOなど)と連携し、調整役を担います。
事務局 国連の日々の活動を支える職員で構成され、そのトップが事務総長です。

 

日本の国際貢献

日本は国際社会の一員として、国連を中心に世界の平和と発展のために様々な貢献をしています。

国連平和維持活動(PKO):紛争地域の停戦監視や復興支援などのために、自衛隊や文民を派遣しています。

政府開発援助(ODA):開発途上国の経済発展や福祉の向上のために、資金や技術の協力を行っています。

 

現代の世界では、環境問題、貧困、紛争、感染症など、一つの国だけでは解決できない地球規模の課題が山積しています。

これらの課題を乗り越えるため、国際連合を中心とした国際協力の重要性はますます高まっています。

 

まとめ

 

領域

領土:国家が主権が及ぶ土地。

領海:国家が主権が及ぶ水域。(12海里

領空:国家の主権が及ぶ空間。(領土領海上の大気)

排他的経済水域:国家の経済的な主権がおよぶ水域。(200海里

 

国際連合

国際連盟国際連合の違い

国際連盟と国際連合の比較
項目 国際連盟 国際連合
本部 ジュネーブ(スイス) ニューヨーク(アメリカ)
常任理事国 日本、イギリス、イタリア、フランス アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国
加盟国 60か国 193か国(2024年現在)
議決方法 全会一致 多数決(常任理事国に拒否権)

 

● 総会:
 全加盟国で構成され、国連の関与するすべての問題を討議する。
 各国が1票の表決権を持ち、重要問題については3分の2、一般問題については過半数で決する多数決制が取られている。
 通常総会は毎年1回開かれる。

● 安全保障理事会:
 国際の平和と安全に主要な責任を負う中心機関。
 15か国で構成され、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5か国が常任理事国、 それ以外の10か国は総会で2年の任期で選ばれる非常任理事国である。

 

公民
現代社会の特色:少子高齢化 現代社会の特色:情報化 現代社会の特色:グローバル化 文化と私たち:日本の文化 文化と私たち:宗教と文化 文化と私たち:多文化共生 文化と私たち:家族 文化と私たち:社会生活 人権の尊重:人権思想の発達 人権の尊重:基本的人権の尊重 人権の尊重:日本国憲法 人権の尊重:国民の権利 人権の尊重:国民の義務 政治のしくみ:国会の役割 政治のしくみ:内閣の役割 政治のしくみ:裁判所の役割 政治のしくみ:三権分立 国民の政治参加:選挙制度 国民の政治参加:政党と世論 国民の政治参加:地方自治と住民 消費生活と市場経済:家計 消費生活と市場経済:流通と価格 消費生活と市場経済:生産と企業 消費生活と市場経済:労働者の権利 金融のはたらき:日本銀行の役割 金融のはたらき:銀行の役割 金融のはたらき:直接金融と間接金融 政府の役割と国民生活:財政 政府の役割と国民生活:租税 政府の役割と財政:社会保障制度 政府の役割と財政:景気変動 現代的な課題:生活環境 現代的な課題:地球環境 国際社会と国際経済:国民所得 国際社会と国際経済:貿易と為替相場 国際社会と国際経済:国家と国際連合 国際社会と国際経済:国際協力と世界平和