一言でいうと、
「人間が、人間であるというただそれだけの理由で、生まれながらに持っている、誰からも奪われることのない基本的な権利」
のことです。
ここで大切なポイントは3つです。
この権利は、国王や政府、あるいは神様から「与えられた」ものではありません。
人間として生まれた瞬間から、当然に持っている権利です。
この考え方を「天賦人権思想(てんぷじんけんしそう)」といいます。
基本的人権は、たとえ国(政府)であっても、みだりに奪ったり、制限したりすることは許されません。
日本国憲法第97条では、この基本的人権を「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であり、「永久の権利として現在及び将来の国民に与へられる」と定めています。
この権利は、人種、性別、信条、社会的身分などに関係なく、すべての人が生まれながらに等しく持っています。
歴史を振り返ると、人類は長い間、この「当たり前」の権利が認められない時代を生きてきました。
国王や貴族が絶対的な権力を持つ絶対王政の時代には、国民は支配される対象であり、その自由や権利は保障されていませんでした。
厳しい身分制度のもとでは、生まれた家によって人の価値が決められ、不平等な扱いを受けるのが当然とされていました。
近代になると、市民革命(アメリカ独立革命やフランス革命など)を通じて、人々は「人間の自由と平等」を求めて戦い、自らの手で人権を勝ち取ってきました。
日本でも、戦前の大日本帝国憲法下では、国民の権利は「臣民の権利」として、「法律の範囲内」でしか認められず、国家のために個人の自由が制限されることが多くありました。
このような、人権が踏みにじられてきた悲惨な歴史への深い反省から、現代の民主主義国家では、基本的人権を何よりも大切にし、最大限に「尊重」することが、国家の最も重要な責務であるとされているのです。
日本国憲法は、この基本的人権を、主に3つの権利に分けて保障しています。
国(政府)から不当に干渉されたり、強制されたりすることなく、自由に生きる権利です。
人権の中でも、最も基本的な権利とされています。
● 精神の自由 :表現の自由、思想・良心の自由、信教の自由、学問の自由など。
● 身体の自由 :奴隷的な拘束を受けない自由、不当に逮捕・処罰されない権利など。
● 経済活動の自由 :居住・移転の自由、職業選択の自由、財産権の保障など。
すべての人が、人種、信条、性別、社会的身分などによって差別されない権利です。
日本国憲法第14条で「法の下の平等」として保障されており、すべての国民が法律の前で平等に扱われることを定めています。
男女間の平等や、部落差別(同和問題)の解消なども、この平等権に関わる重要な課題です。
すべての人が、人間らしい豊かな生活を送ることを国に求める権利です。
自由権が「国から干渉されない自由(国家からの自由)」であるのに対し、社会権は「国に対して積極的に何かを要求する権利(国家による自由)」と言われます。
20世紀に入って、資本主義の発展とともに貧富の差が拡大したため、社会的・経済的に弱い立場の人々を救済するために生まれた、比較的新しい人権です。
● 生存権(第25条): 「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」。生活保護制度などの根拠となります。
● 教育を受ける権利
● 勤労の権利
● 労働基本権(団結権、団体交渉権、団体行動権)
このように、「基本的人権の尊重」という原則は、私たちが自由で、平等で、人間らしい生活を送るための、社会全体の土台となっています。
そして、自分の人権が大切であるのと同じように、他人の人権も尊重することが、この社会で共に生きていく上で不可欠なルールなのです。
精神の自由、身体の自由、経済活動の自由を保障。
| 分類 | 権利の内容 |
|---|---|
| 精神の自由 |
思想・良心の自由 信教の自由 学問の自由 |
|
表現の自由 集会の自由 結社の自由 通信の秘密 幸福追求権 |
|
|
法の下の平等 差別から保護される権利 |
|
| プライバシーの権利 | |
| 身体の自由 | 生存権 |
| 奴隷的拘束や苦役からの自由 | |
|
法定手続の保障 逮捕に対する保障 刑罰の内容の保障 刑事裁判手続上の保障 |
|
| 経済活動の自由 |
職業選択の自由 居住移転の自由 外国移住の自由 国籍離脱の自由 |
| 財産権の保障 |
<表現の自由>
報道及び言論の自由、 創作の自由、 広告・宣伝の自由、 知る権利。
性別、人種、社会的身分などで差別されない権利。
人間らしく生きるための権利。