社会保障制度とは、私たちが病気になったり、お年寄りになったり、失業したり、障がいを負ったりと、人生で起こりうる様々な困難な状況に陥ったときに、国が最低限度の生活を保障し、支えてくれる、非常に大切なセーフティネット(安全網)の仕組みです。
日本国憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(生存権)」という考え方を、具体的に実現するための制度が社会保障制度です。
日本の社会保障制度は、主に以下の4つの柱から成り立っています。
国民が、あらかじめ保険料を出し合い、大きな共同の貯金箱を作っておきます。
そして、病気や失業といった事態が起こったときに、その貯金箱から必要な給付(お金やサービス)を受けられる仕組みです。
国民全員が加入することを義務付けられているのが大きな特徴です。(国民皆保険・国民皆年金)
保険料と、国や地方公共団体からの税金(公費)によって運営されています。
社会保障制度の中心的な柱です。
①医療保険
病気やけがをしたときに、病院での治療費の自己負担が一部(1〜3割)で済むようにする制度。
会社員などが加入する「健康保険」や、自営業者・高齢者などが加入する「国民健康保険」があります。
②年金保険
高齢になったとき(老齢年金)、障がいを負ったとき(障害年金)、一家の働き手が亡くなったとき(遺族年金)に、年金が支給される制度。
③雇用保険(失業保険)
失業したときに、次の仕事が見つかるまでの一定期間、生活を支えるための給付が受けられる制度。
④介護保険
高齢になり、介護が必要になったときに、訪問介護や施設入所などの介護サービスを、1〜3割の自己負担で受けられる制度。
⑤労災保険
仕事中や通勤中のけがや病気に対して、治療費や生活費が給付される制度。
病気や失業などで、どうしても自分の力では生活できなくなり、他の社会保険制度からも十分な支援が受けられない生活困窮者に対して、国が最低限度の生活を保障するための制度です。
社会保険とは違い、保険料は必要ありません。
財源は、全額、国と地方公共団体の税金(公費)でまかなわれます。
社会保障の「最後のセーフティーネット(安全網)」としての役割を担っています。
高齢者、障がいのある人、子ども、母子・父子家庭など、社会的に弱い立場にあり、特別な支援を必要とする人々が、自立して生活できるように支援するための制度です。
現金給付よりも、施設でのサービスや専門家による相談・指導といった福祉サービスが中心となります。
財源の多くは税金でまかなわれます。
● 児童福祉法:保育所の運営、児童虐待からの保護など。
● 身体障害者福祉法、知的障害者福祉法:障がいのある人々への支援。
● 老人福祉法:老人ホームの運営など。
国民全体が、健康で安全な生活を送れるように、病気の予防や、生活環境の整備を行なうための取り組みです。
個人を対象とする医療とは違い、社会全体の健康を守ることを目的としています。
財源は、主に税金でまかなわれます。
● 感染症対策:予防接種(ワクチン)、感染症の発生監視、検疫など。
● 環境衛生:上下水道の整備、ごみ・し尿処理、食品衛生の監視など。
● 健康増進:健康診断(健診)、がん検診、健康相談など。
● 社会保険:医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険、など。
● 公的扶助:生活保護、など。
● 社会福祉:片親の家庭の子育ての支援や、高齢者・障がい者の生活の支援。
● 公衆衛生:健康で病気にならないように環境を維持、改善。
| 柱の名称 | 対象となる人 | 主な財源 | 目的・内容 | 代表的な制度 |
|---|---|---|---|---|
| 社会保険 | 全国民 | 保険料 + 税金 | 病気、失業、老後などに備える、制度の中心。 | 医療保険、年金保険 |
| 公的扶助 | 生活困窮者 | 税金 | 最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネット。 | 生活保護 |
| 社会福祉 | 高齢者、 障がい者、 子どもなど |
税金 | 社会的弱者の自立を支援するサービス。 | 児童福祉、老人福祉 |
| 公衆衛生 | 全国民 | 税金 | 病気の予防や、環境衛生を保ち、国民全体の健康を守る。 | 感染症対策、上下水道 |
これらの4つの柱が組み合わさることで、私たちの生活は、生まれてから亡くなるまでの生涯にわたって、様々な形で支えられているのです。
少子高齢化社会:
出生数が減少し、子どもの数が減少。65歳以上の老年人口の増加。
→労働者が減り、財源確保が困難になるため、日本では深刻な問題になっている。