現代的な課題:地球環境

 

 

1. 地球環境問題:地球全体の健康が危ない

これは、私たちの経済活動や生活が、地球全体の環境に大きな負担をかけ、様々な問題を引き起こしているという課題です。

 

代表例:地球温暖化

原因:私たちが自動車や工場などで石油・石炭といった化石燃料を大量に燃やすことで、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが増えすぎ、地球が温室のように熱を溜め込み、全体の平均気温が上昇しています。

影響

異常気象の増加:猛暑、集中豪雨、巨大台風、深刻な干ばつなどが世界中で頻発しています。

海面の上昇:北極や南極の氷が溶け、海水面が上昇。海抜の低い島国や沿岸地域が水没する危険性が高まっています。

対策

世界全体で温室効果ガスの排出量を減らすための国際的なルール(パリ協定など)が作られ、各国が削減目標を掲げています。

 

その他の環境問題

海洋プラスチックごみ:私たちが捨てたプラスチックごみが海に流れ出し、海の生態系を破壊しています。

砂漠化:森林伐採や気候変動により、植物が育たない土地が広がっています。

生物多様性の損失:開発や環境破壊により、多くの種類の生き物が絶滅の危機に瀕しています。

 

2. 資源・エネルギー問題:今の便利な生活はいつまで続く?

私たちの豊かな生活は、石油や電気といった資源・エネルギーによって支えられています。

しかし、それらは無限ではありません。

 

①課題

資源の枯渇:石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料は、あと数十年から数百年でなくなってしまうと言われている、枯渇性資源です。

資源の偏在:石油資源の多くが中東などの特定の地域に偏って存在するため、その地域の情勢が不安定になると、価格が高騰したり、安定供給が脅かされたりします。

環境への負荷:化石燃料の使用が、地球温暖化の最大の原因となっています。

 

②解決に向けた動き

● 再生可能エネルギーへの転換

太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった、自然の力を利用したエネルギーです。

これらは枯渇する心配がなく、発電時にCO2を排出しないため、「クリーンエネルギー」とも呼ばれます。

● 省エネルギー(省エネ)の推進

エネルギー効率の良い家電製品を使ったり、LED照明に切り替えたり、公共交通機関を利用したりするなど、エネルギーの無駄遣いを減らす取り組みです。

 

3. 貧困問題:世界からなくならない格差

世界には、1日をわずかなお金で暮らさなければならず、安全な水や十分な食料、医療、教育などを得られない人々がたくさんいます。

①課題

南北問題:主に北半球に多い豊かな先進国()と、主に南半球に多い発展途上国()との間に、大きな経済格差が存在します。

貧困の悪循環:紛争や災害、教育の不足などが原因で、貧しい国や人々は貧困から抜け出すのが非常に難しい状況にあります。

国内の格差:日本などの先進国の中でも、所得の格差が広がり、「子どもの貧困」などが深刻な問題となっています。

②解決に向けた動き

国際協力:政府による政府開発援助(ODA)や、国連機関(ユニセフなど)、NGO(非政府組織)による支援活動。

フェアトレード:発展途上国の産品(コーヒーやチョコレートなど)を、適正な価格で継続的に購入することで、生産者の生活を支える仕組みです。

 

これらの課題の深いつながり

実は、これらの課題はバラバラに存在しているのではなく、互いに深くつながり合っています。

(貧困 ⇔ 環境):貧しい国の人々は、目先の生活のために森林を伐採せざるを得ず、それが地球温暖化や砂漠化を加速させてしまう。

(資源 ⇔ 環境):先進国が化石燃料を大量に消費する豊かな生活を送ることで、地球温暖化が進み、その影響(干ばつや洪水)を最も受けやすいのは、発展途上国の貧しい人々である。

(貧困 ⇔ 資源):紛争の多い地域では、貴重な資源が武器を買うために不当に安く売られ、国民の生活向上には使われず、貧困が固定化してしまう。

 

まとめ:持続可能な社会を目指して

これらの複雑に絡み合った課題を、地球全体で協力して解決し、「環境を守りながら、将来の世代も豊かに暮らし続けられる社会」を実現しようという考え方が「持続可能な開発」です。

そのための世界共通の目標として、2015年に国連で採択されたのが「持続可能な開発目標SDGs」です。

「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「気候変動に具体的な対策を」といった17の目標が掲げられています。

これらの現代的な課題は、遠い国の話ではなく、私たちの毎日の生活と密接につながっています。

私たち一人ひとりが問題に関心を持ち、自分にできることは何かを考え、行動していくことが求められているのです。

 

 

「持続可能な開発目標(SDGs)」

近年、テレビや街中でカラフルな円形のマークを見かけることが増えたのではないでしょうか。

これはSDGs(エスディージーズ)のロゴマークです。

SDGsは、私たち、そして未来の世代がこの地球で安心して暮らし続けるために、世界全体で取り組むべき目標を示したものです。

 

1. SDGsとは? なぜ必要なの?

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。

いつ、どこで決まったの?

2015年9月の国連サミットで、参加した193のすべての国連加盟国が「全会一致」で採択しました。

2016年から2030年までの15年間で達成することを目指しています。

「持続可能な開発」ってどういう意味?

「持続可能」とは、将来の世代が必要とするものを奪うことなく、現代の私たちが豊かさを追求していくことです。

つまり、環境を壊したり、資源を使い尽くしたり、未来の人たちに負の遺産を残したりしない形で、社会を発展させていこうという考え方です。

なぜSDGsが必要なの?

現在、私たちの世界は、貧困や飢餓、紛争、気候変動、資源の枯渇、感染症など、数多くの深刻な課題に直面しています。

このままでは、人類が安定してこの地球で暮らし続けることが難しくなると心配されています。

そこで、これらの問題を解決し、より良い世界を未来へ引き継ぐために、世界共通の具体的な目標としてSDGsが作られました。

 

2. SDGsの大きな特徴:「誰一人取り残さない」

SDGsを理解する上で最も大切な理念が「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という言葉です。

これは、国や地域、性別、年齢、障がいの有無などに関わらず、すべての人々が尊重され、開発の恩恵を受けられる社会を目指すという強い決意を表しています。

また、SDGsには以下のような特徴があります。

● 普遍性(ふへんせい)

以前の国際目標(MDGs)が主に開発途上国を対象としていたのに対し、SDGsは先進国を含むすべての国が取り組むべき普遍的な目標です。

日本も例外ではありません。

● 統合性

貧困、経済成長、社会、環境といった課題は、それぞれが独立しているのではなく、互いに深く関連していると考えます。

そのため、経済・社会・環境の3つの側面をバランスよく統合的に解決していくことを目指します。

● 参加型

国や政府だけでなく、企業、自治体、NGO、そして私たち一人ひとりまで、社会のすべての人が目標達成のための担い手であるとされています。

 

3. 17の目標と5つの「P」

SDGsは、世界が抱える課題を解決するための17の具体的な目標と、それらをさらに細かくした169のターゲットで構成されています。

これら17の目標は、人間、地球、豊かさ、平和、協力という5つの「P」の分野に分類できます。

SDGsの17の目標:5つのP(人間、地球、豊かさ、平和、協力)による分類
分類 主な目標の例
人間 (People)
貧困や飢餓をなくし、すべての人々の人権や尊厳を守る
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
地球 (Planet)
地球環境や資源を守り、気候変動に対応する
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
豊かさ (Prosperity)
すべての人が豊かで充実した生活を送れる経済・社会をつくる
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
平和 (Peace)
争いをなくし、平和で公正な社会を築く
16. 平和と公正をすべての人に
協力 (Partnership)
世界中の人々や組織が協力して目標達成を目指す
17. パートナーシップで目標を達成しよう

 

【SDGs 17の目標アイコン】

(17の目標を示すカラフルなアイコンが並んだ画像やイラストを想定)

 

4. 日本と私たちの取り組み

日本政府もSDGsの達成に積極的に取り組んでおり、総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」を設置し、国としての方針を定めています。

しかし、SDGsは政府や企業だけのものではありません。

私たち中学生にもできることはたくさんあります。

 

食品ロスを減らす:給食を残さず食べる、家で食べきれる量だけ買う。(目標2, 12に関連)

節電・節水:使わない電気は消す、水を大切に使う。(目標7, 12, 13に関連)

差別や偏見をなくす:性別や国籍などで人を判断せず、多様性を認める。(目標5, 10に関連)

調べて、考える:世界で起きている問題について学び、自分に何ができるかを考える。(目標4に関連)

 

SDGsは、2030年の未来、まさに皆さんが社会の中心となって活躍する時代の世界をより良くするための「ナビ」のようなものです。

まずは関心を持ち、身近なことから一つでも行動してみることが、持続可能な未来への大きな一歩となります。

 

 

まとめ

 

環境問題

地球温暖化 酸性雨森林破壊 砂漠化オゾン層の破壊、などがある。

京都議定書
 2008年から2012年の先進国の温室効果ガス排出量を、1990年を基準に先進国全体で5%削減を目指す。

 

資源とエネルギー

新エネルギーの開発:
 化石燃料(石油、石炭など)の使用は環境を破壊。
 → 自然エネルギー(太陽光・太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱など)の開発。

 

公民
現代社会の特色:少子高齢化 現代社会の特色:情報化 現代社会の特色:グローバル化 文化と私たち:日本の文化 文化と私たち:宗教と文化 文化と私たち:多文化共生 文化と私たち:家族 文化と私たち:社会生活 人権の尊重:人権思想の発達 人権の尊重:基本的人権の尊重 人権の尊重:日本国憲法 人権の尊重:国民の権利 人権の尊重:国民の義務 政治のしくみ:国会の役割 政治のしくみ:内閣の役割 政治のしくみ:裁判所の役割 政治のしくみ:三権分立 国民の政治参加:選挙制度 国民の政治参加:政党と世論 国民の政治参加:地方自治と住民 消費生活と市場経済:家計 消費生活と市場経済:流通と価格 消費生活と市場経済:生産と企業 消費生活と市場経済:労働者の権利 金融のはたらき:日本銀行の役割 金融のはたらき:銀行の役割 金融のはたらき:直接金融と間接金融 政府の役割と国民生活:財政 政府の役割と国民生活:租税 政府の役割と財政:社会保障制度 政府の役割と財政:景気変動 現代的な課題:生活環境 現代的な課題:地球環境 国際社会と国際経済:国民所得 国際社会と国際経済:貿易と為替相場 国際社会と国際経済:国家と国際連合 国際社会と国際経済:国際協力と世界平和