貿易とは、国と国との間で、モノ(商品)を売り買いすることです。
自分の国の商品を外国に売ることを「輸出(ゆしゅつ)」、外国の商品を自分の国が買うことを「輸入(ゆにゅう)」といいます。
それぞれの国には、その国の気候や資源、技術などによって、得意な産業と不得意な産業があります。
すべてのものを自国で作ろうとするよりも、自国が得意なもの(比較優位のあるもの)の生産に集中し、それを輸出する。
そして、自国が不得意なものは、他国から輸入した方が、お互いにとってより効率的で、豊かになれるからです。
これを「国際分業」といいます。
加工貿易:日本は、石油や鉄鉱石といった工業製品の原料や燃料を輸入し、 それを使って自動車や機械といった付加価値の高い工業製品を作り、それを輸出するという「加工貿易」で経済成長を遂げてきました。
貿易で、外国とお金のやり取りをするときには、日本の「円」と、相手の国の通貨(アメリカの「ドル」など)を交換する必要があります。
為替相場とは、自国の通貨と、外国の通貨との交換比率(レート)のことです。
通常、ニュースなどでは「1ドル=〇〇円」という形で表されます。
この交換比率は、外国為替市場での需要と供給によって、常に変動しています。
この為替相場の変動が、日本の経済に非常に大きな影響を与えます。
多くの人が混乱しやすいポイントなので、具体例でゆっくり考えましょう。
円の価値が、ドルに対して高くなった状態。
例:1ドル=80円 になった場合。
(以前は100円出さないと1ドルと交換できなかったのに、今は80円で済む → 円の価値が上がった)
輸入業者や海外旅行に行く人に有利(メリット)です。
これまで100円で仕入れていた1ドルの商品が、80円で仕入れられるようになります。
海外の製品をより安く買えるようになるため、私たちの生活にとっては、輸入品が安くなるというメリットがあります。
輸出業者(日本の自動車メーカーなど)に不利(デメリット)です。
これまで日本で80万円で売っていた車をアメリカに輸出し、8,000ドルで売っていたとします。(80万円 ÷ 100円/ドル = 8,000ドル)
円高(1ドル=80円)になると、同じ8,000ドルで売れても、日本円に換金すると 64万円(8,000ドル × 80円/ドル)にしかなりません。
同じ値段で売るためには、アメリカでの販売価格を10,000ドル(80万円 ÷ 80円/ドル)に値上げする必要がありますが、そうすると価格競争力がなくなり、売れなくなってしまいます。
輸出に不利、輸入に有利
円の価値が、ドルに対して安くなった状態。
例:1ドル=120円 になった場合。
(以前は100円で1ドルと交換できたのに、今は120円も出さないと交換できない → 円の価値が下がった)
輸出業者(日本の自動車メーカーなど)に有利(メリット)です。
これまでアメリカで8,000ドルで売っていた車の代金を日本円に換金すると、96万円(8,000ドル × 120円/ドル)になり、儲けが増えます。
または、アメリカでの販売価格を値下げして競争力を高めることもできます。
輸入業者や海外旅行に行く人に不利(デメリット)です。
これまで100円で仕入れていた1ドルの商品が、120円出さないと仕入れられなくなります。
輸入品の価格が上がるため、石油などの原材料価格が上昇し、国内の物価が上がる原因になります。
輸出に有利、輸入に不利
このように、為替相場の変動は、日本の産業や私たちの家計に、直接的・間接的に大きな影響を与えているのです。
ニュースで「円相場は1ドル=〇〇円で…」という言葉が出てきたら、この関係を思い出してみてください。