ヨーロッパの農業と酪農

 

 

1. 地中海式農業:太陽の恵みを活かす農業

地中海式農業は、イタリアやスペイン、ギリシャといったヨーロッパ南部の地中海沿岸で行われている農業です。

この地域は、夏は雨が少なく乾燥し、冬に雨が降る「地中海性気候」という特徴があります。

主な作物と家畜

果樹栽培:夏の強い日差しと乾燥に強いオリーブ、ぶどう、オレンジ、レモンなどの果物が中心です。
これらは油やワイン、ジュースなどに加工されます。

穀物栽培:雨が降る冬を利用して、小麦や大麦なども栽培されています。

家畜:ヤギや羊など、乾燥に比較的強い家畜が飼育されています。

これらの農業は、気候の特色をうまく利用しているのがポイントです。

 

2. 混合農業:畑作と家畜の組み合わせ

混合農業は、作物の栽培と家畜の飼育を組み合わせて行う農業で、ヨーロッパの中部から西部にかけて広く見られます。

主な作物と家畜

作物:小麦やライ麦、じゃがいもなどの食用の作物のほかに、とうもろこしや牧草といった家畜のエサ(飼料作物)も栽培します。

家畜:主に豚や牛などが飼育されています。

特徴

輪作:土地の栄養が偏らないように、同じ土地で毎年違う作物を順番に作る「輪作」という方法がとられています。

効率的な経営:作物は食料や販売用にし、家畜の糞は畑の肥料として利用するなど、無駄のない効率的な農業経営が行われています。

フランスやドイツなどが代表的な国で、ヨーロッパの基本的な農業スタイルとも言えます。

 

3. 酪農:涼しい気候を活かした農業

酪農は、牛やヤギなどを飼育し、牛乳やチーズ、バターなどの乳製品を生産する農業です。

ヨーロッパでは、デンマークやオランダ、イギリスなど北部の涼しい地域で盛んです。

背景

ヨーロッパ北部の土地は、氷河によって削られたやせた土地が多く、穀物の栽培にあまり向いていません。

気候が涼しいため、穀物よりも牧草が育ちやすく、牛の飼育に適しています。

特徴

乳製品の生産:生産された生乳は、新鮮なうちに牛乳として出荷されたり、チーズやバターなどに加工されて国内外へ輸出されたりします。

大都市の近く:牛乳は鮮度が大切なため、昔は都市の近くで行われることが多かったですが、現在では冷蔵・輸送技術の発達により、都市から離れた場所でも行われるようになっています。

 

まとめ:ヨーロッパの農業の多様性

このように、ヨーロッパでは、それぞれの地域の気候や土地の条件に最も適した農業が発展してきました。

南部の乾燥した夏には地中海式農業

中部から西部の比較的穏やかな気候の場所では混合農業

北部の涼しく土地がやせている場所では酪農

この3つの農業スタイルを地図と関連付けて覚えると、ヨーロッパの地理への理解がさらに深まるでしょう。