オセアニアの鉱産資源といえば、その中心はなんと言ってもオーストラリアです。
オーストラリアで石炭や鉄鉱石がたくさん採れるのには、大陸の地形の成り立ちが深く関係しています。
オーストラリアの西部は、何億年も前にできた非常に古く安定した大地(安定陸塊または楯状地)です。
この古い地層の中に、良質な鉄鉱石が豊富に眠っています。
主な鉱山:ピルバラ地区(マウントホエールバック鉱山など)
大陸の東側には、グレートディバイディング山脈という、古生代にできたなだらかな山脈(古期造山帯)が連なっています。
この地域では、大昔の植物が地中に埋もれて長い時間をかけて変化し、良質な石炭になりました。
このように、大陸の西で鉄鉱石、東で石炭と、地形のタイプによって採れる資源が分かれているのが大きな特徴です。
豊富な資源を背景に、オーストラリアは世界有数の鉱産資源輸出国となっています。
● 鉄鉱石の輸出量は世界第1位です。
● 石炭の輸出量も、インドネシアに次いで世界第2位です。
広大な土地を活かし、地表から直接巨大な重機で掘り進める「露天掘り(ろてんぼり)」という方法で、効率よく大量に採掘しています。
最大の輸出相手国は、工業化が急速に進み、鉄を大量に必要としている中国です。
そして、中国に次ぐ重要な輸出相手国が、日本なのです。
資源のほとんどを輸入に頼っている日本にとって、オーストラリアはなくてはならない非常に重要なパートナーです。
日本が輸入する鉄鉱石の約6割、石炭の約7割はオーストラリアから来ています(2022年時点)。
どちらも圧倒的な第1位です。
鉄鉱石は、製鉄所で鉄に加工されます。
その鉄は、私たちが乗る自動車や電車、住んでいるビルやマンションの材料になります。
石炭の多くは、火力発電所で電気を作るための燃料として使われます。
また、鉄鉱石から鉄を作る際の燃料(原料炭)としても不可欠です。
つまり、日本の産業や私たちの便利な暮らしは、遠いオーストラリアから運ばれてくる資源によって大きく支えられているのです。
この強い結びつきを「日豪関係」と呼びます。
一方で、資源の輸出に頼る経済にはいくつかの課題もあります。
鉄鉱石や石炭の国際的な取引価格が下がると、オーストラリアの経済は大きな影響を受けます。
大規模な露天掘りは、自然環境を大きく変えてしまう可能性があります。
また、石炭は燃やすと地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出します。
輸出の多くを中国に頼っているため、中国の経済状況が悪くなると、オーストラリアも大きな影響を受けるというリスクがあります。
オーストラリアの鉄鉱石と石炭は、その地形の成り立ちから生まれた豊かな恵みです。
そして、その資源は海を越えて日本に運ばれ、私たちの社会と生活を根底から支えています。
この強い経済的なつながりを理解することが、オセアニアの地理を学ぶ上で非常に重要なポイントです。