私たちが買い物をする場所は、この数十年で劇的に変化しました。
かつては、町の中心にある商店街が買い物の中心でした。
八百屋さん、魚屋さん、本屋さんといった個人のお店が並び、地域の人々の交流の場でもありました。
また、駅前には百貨店(デパート)があり、少し高級な品物や贈り物などを買う場所でした。
多くの家庭が自動車を持つようになると(モータリゼーション)、人々は電車やバスだけでなく、車で買い物に行くようになりました。
広い駐車場を備えた大型の商業施設が、郊外の幹線道路沿いなどに建てられるようになりました。
スーパーマーケットだけでなく、多くの専門店、飲食店、映画館などが集まっており、一日中過ごせる場所として人気を集めています。
24時間365日営業という便利さで、全国に広がりました。
お弁当や飲み物を売るだけでなく、公共料金の支払いや宅配便の受け取りなど、様々なサービスを提供し、生活に欠かせないインフラとなっています。
スマートフォンやパソコンを使って、いつでもどこでも買い物ができるインターネット通販が急速に拡大しました。
家にいながら商品が届くため、非常に便利です。
郊外の大型店やネット通販にお客さんを奪われ、昔ながらの商店街は客足が遠のき、シャッターを閉める店が増えてしまいました(シャッター通り)。
また、車を運転できない高齢者などが、身近な店がなくなったことで買い物が困難になる「買い物難民」という問題も生まれています。
人やモノの移動をスムーズにするため、日本の交通網は大きく発達しました。
東京・名古屋・大阪の三大都市圏を結ぶ東海道新幹線は、ビジネスや観光に欠かせない日本の大動脈です。
現在では、北海道から九州までネットワークが広がり、全国の主要都市間の移動時間を大幅に短縮しました。
東名高速道路や名神高速道路をはじめ、全国に高速道路網が張り巡されました。
これにより、トラック輸送が物流の主役となり、工場で作られた製品や、港に届いた輸入品、新鮮な野菜などを、全国各地へ迅速に届けることが可能になりました。
● 空港:成田国際空港、羽田空港、関西国際空港などがハブ空港として、世界と日本を結ぶ拠点となっています。
格安航空会社(LCC)の登場により、空の旅はより身近になりました。
● 港湾:資源の輸入や製品の輸出を支える重要な拠点です。
特にコンテナ船による輸送は、今日の国際貿易に不可欠です。
インターネットやスマートフォンなどの情報通信技術(ICT)の進化は、商業や交通のあり方を根本から変えています。
● POSシステム:コンビニやスーパーのレジで使われています。商品のバーコードを読み取ることで、「何が、いつ、いくつ売れたか」という情報が瞬時に集計され、商品の仕入れや在庫管理に活かされています。
● キャッシュレス決済:電子マネーやQRコード決済が普及し、現金を使わずに支払いができるようになりました。
● インターネット通販:まさにICTの進化が生み出した、新しい商業の形です。
● カーナビゲーションシステム(GPS):目的地までの最適なルートを案内してくれます。
● 交通系ICカード(Suicaなど):切符を買わずに改札を通れ、乗り換え案内アプリと連携して移動をスムーズにします。
ICTの活用により、会社に行かなくても自宅などで仕事ができる在宅勤務(テレワーク)が広まりつつあります。これは、人々の住む場所の選択肢を広げる可能性も秘めています。
一方で、高齢者など、ICTをうまく使いこなせない人々が、便利なサービスから取り残されてしまうという新しい課題も生まれています。
商業施設の変化、交通網の発達、情報通信技術の活用は、それぞれが独立しているのではなく、互いに影響し合いながら日本の社会を大きく変えてきました。
例えば、「交通網の発達」と「ICTの活用」があったからこそ、「インターネット通販」という新しい商業が可能になったのです。
これらの変化が、私たちの暮らしを便利にする一方で、新たな社会問題を生み出していることも理解しておくことが大切です。