国がその力を及ぼすことができる範囲を「領域」といい、次の3つから成り立っています。
● 領土(りょうど):国の陸地部分のことです。日本の国土面積は約38万平方キロメートルです。
● 領海(りょうかい):領土の海岸線から12海里(約22km)までの海のことです。国の許可なく外国の船は漁をしたりできません。
● 領空(りょうくう):領土と領海の上空のことです。外国の飛行機は許可なく飛ぶことはできません。
これに加えて、とても重要なのが「排他的経済水域」です。
● 排他的経済水域(EEZ):海岸線から200海里(約370km)までの、領海の外側の海域です。この水域では、沿岸の国が魚や海底にある石油・天然ガスなどの資源を独占的に(排他的に)利用する権利を持っています。
日本は多くの島々を持つため、この排他的経済水域の面積が国土の約12倍もあり、世界でもトップクラスの広さを誇ります。
領土とは、国の主権が及ぶ最も基本的な範囲であり、国民の生活や安全に直結する重要なものです。
しかし、国と国との間で、その領土の所属について主張が食い違うことがあります。
これを「領土問題」といいます。
日本は現在、主に3つの地域で領土問題を抱えています。
| 対象となる島々 |
択捉島(えとろふとう)、 国後島(くなしりとう)、 色丹島(しこたんとう)、 歯舞群島(はぼまいぐんとう) の4つの島々です。 |
|---|---|
| 相手国 | ロシア連邦 |
| 日本の主張 |
これらの島々は、歴史的に一度も外国の領土になったことがない、日本固有の領土です。 第二次世界大戦の末期に、ソ連(現在のロシア)が条約を破って侵攻し、占領しました。 サンフランシスコ平和条約で日本が放棄した「千島列島」に、この4島は含まれていません。 |
| 現状 |
現在もロシアによって不法に占拠されており、多くのロシア人が住んでいます。 日本政府は、ロシアに対し返還を求め、粘り強く交渉を続けています。 |
| なぜ重要か | 周辺の海は、サケやマス、コンブなどの水産資源が非常に豊富な海域です。 |
| 対象となる島 | 竹島:島根県隠岐の島の北西約158kmに位置する島です。 |
|---|---|
| 相手国 | 大韓民国(韓国) |
| 日本の主張 |
歴史的な事実からも、国際法上も、日本固有の領土です。 遅くとも17世紀半ばには、日本はその存在を認識し、利用していました。 1905年に、どの国にも属していないことを確認したうえで、島根県に編入しました。 |
| 現状 |
韓国が一方的に領有権を主張し、不法に占拠して警備隊員を常駐させています。 日本は、国際司法裁判所などを通じた平和的な解決を提案していますが、韓国は応じていません。 |
| なぜ重要か | 周辺は、魚介類が豊富な良い漁場となっています。 |
| 対象となる島々 | 魚釣島、北小島、南小島、など:沖縄県石垣市の北約170kmに位置する島々です。 |
|---|---|
| 相手国 | 中華人民共和国と中華民国 |
| 日本の立場 |
歴史的にも国際法上も、日本固有の領土であり、領土問題は存在しない、というのが日本政府の明確な立場です。 1895年に、どの国の支配も及んでいないことを慎重に確認したうえで、日本の領土に編入しました。 |
| 現状 |
日本が有効に支配しています。 しかし、1970年代に周辺海域に石油などの天然資源が埋まっている可能性が指摘されてから、中国が独自の主張を始めました。 近年、中国の公船が日本の領海に侵入を繰り返すなど、緊張が高まっています。 |
| なぜ重要か | 豊かな漁業資源に加え、石油や天然ガスなどの海底資源が埋蔵されている可能性があり、また、海上交通の重要なルート上に位置しています。 |
領土問題は、国の根幹に関わる非常にデリケートで難しい問題です。
大切なのは、感情的になるのではなく、まず「どのような歴史的経緯があるのか」「国際法上の根拠は何か」といった事実を冷静に、そして正確に理解することです。
日本政府は、どの問題についても、対話を通じて平和的に解決することを目指しています。
私たち国民一人ひとりが、自国の領土について関心を持ち、正しく理解することが、日本の平和と安定を守るための第一歩になります。