日本は大小約6,800もの島々からなる島国です。
その領土がどこからどこまでなのかを示す、東西南北の端にある島々を見てみましょう。
北海道に属する、日本の最も北にある島です。
現在、ロシアによって不法に占拠されている北方領土の一つです。
東京都に属する、日本の最も東にある島です。本土から約1,800kmも離れています。
東京都に属する、日本の最も南にあるサンゴ礁の島です。満潮時にはほとんどが海面の下に隠れてしまいます。
沖縄県に属する、日本の最も西にある島です。台湾のすぐ近くに位置しています。
これらの、特に本土から遠く離れた小さな島々の存在が、次に説明する「海の領土」を考える上で非常に重要になります。
日本は陸地の面積(領土)は世界で61番目ですが、海を含めると世界有数の広さを持つ国になります。
その鍵が「排他的経済水域(EEZ)」です。
排他的経済水域とは、沿岸の国が、その海の資源を独占的に(排他的に)利用できる権利を持つ水域のことです。
範囲は、その国の海岸線から200海里(約370km)までです。
(領海である12海里の外側)
先ほど紹介した沖ノ鳥島や南鳥島のような、本土から遠く離れた場所にぽつんと島があることで、その島を基点として、半径370kmの広大な排他的経済水域が生まれます。
たくさんの島々が点在しているおかげで、日本の排他的経済水域の面積は国土面積の約12倍にもなり、その広さは世界で第6位を誇ります。
沖ノ鳥島は満潮時にはほとんど沈んでしまう小さな島ですが、この島がなくなってしまうと、そこを基点とする広大な排他的経済水域(日本の国土面積よりも広い)が失われてしまいます。
そのため、日本政府はコンクリートで護岸工事を行うなどして、島が波で削られてなくならないように守っているのです。
では、その広大な排他的経済水域は、日本にどのような恵みをもたらしてくれるのでしょうか。
日本の周りの海は、南から流れてくる暖かい海流「黒潮(日本海流)」と、北から流れてくる冷たい海流「親潮(千島海流)」がぶつかる場所(潮目)があります。
この潮目には、魚のエサとなるプランクトンが豊富に発生するため、世界でも有数の好漁場(よい漁場)となっています。
私たちが普段食べているマグロ、サンマ、イワシ、カツオといった多くの魚は、この日本の排他的経済水域内で獲られています。
石油や天然ガスといった資源に乏しい日本にとって、排他的経済水域の海底に眠る資源は未来への大きな希望です。
「燃える氷」とも呼ばれる、天然ガスが主成分の氷状の物質です。
日本の周りの海底には、日本の天然ガス消費量の約100年分ともいわれる膨大な量が埋まっているとされ、次世代のエネルギー資源として期待されています。
海底火山などから噴き出す熱水に含まれる金属成分が固まってできたもので、金、銀、銅や、ハイテク製品に必要なレアメタルなどを豊富に含んでいます。
これらの資源を商業的に取り出すにはまだ技術的な課題がありますが、日本の未来を支える可能性を秘めた「宝の海」と言うことができます。
日本の領土を考えるとき、陸地だけでなく、その周りに広がる排他的経済水域(EEZ)がいかに広大で重要であるかを理解することが大切です。
この「海の領土」は、私たちの食生活を支える豊かな水産資源と、未来の日本を支えるかもしれない天然資源という、大きな恵みを与えてくれているのです。