日本の農業は、その土地の気候や地形に合わせて、様々な形で行なわれています。
日本の農業の中で、作付面積・生産額ともに最も大きい中心的な作物です。
夏の高温多湿な気候が米作りに適しており、北海道から九州まで全国各地で行われています。
特に、東北地方の庄内平野や新潟県の越後平野、宮城県の仙台平野などは、米の生産が盛んな穀倉地帯として有名です。
食生活の変化(パンや麺類を食べる人が増えた)により、米の消費量は年々減少しています。
そのため、政府は生産量を調整する「減反政策」を進め、米作りから他の作物への転換を促してきました。
水田以外の畑で、米以外の穀物や野菜などを栽培することです。
北海道の十勝平野では、広大な土地を活かして、小麦、じゃがいも、てんさい(砂糖の原料)、豆類などを大規模に栽培する畑作が盛んです。
南九州のシラス台地のように、水持ちが悪く稲作に向かない土地では、さつまいもなどが栽培されています。
野菜、果物、花などを集約的に(狭い土地に多くの手間と資本をかけて)栽培する農業です。
都市部で消費される生鮮食料品を供給するため、大都市の近くで行なわれる「近郊農業」と、輸送機関の発達を背景に、都市から離れた場所でその地域の温暖な気候などを活かして行なう「遠郊農業」があります。
● 促成栽培:宮崎平野や高知平野で、ビニールハウスなどを利用して、他の地域より早く野菜(きゅうり、ピーマンなど)を出荷する。
● 抑制栽培:長野県などの冷涼な高原で、夏でも涼しい気候を活かし、他の地域で品薄になる夏秋に野菜(レタス、キャベツなど)を出荷する。
食料自給率:米の自給率は99%(2022年度)で、主食であるお米はほぼ国内生産でまかなえています。その他、野菜全体の自給率は77%です。
| ランク | 品目と自給率 |
|---|---|
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Sランク (ほぼ100%) |
● かぶ(100%) ● 小松菜(100%) ● 米(99%) ● みかん(99%) ● 梨(99%) ● 桃(99%) ● 柿(99%) ● 大根(98〜99%) ● チンゲンサイ(97〜98%) |
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Aランク (90%台) |
● レタス(96%) ● きゅうり(96%) ● なす(96%) ● ぶどう(95%) ● トマト(94%) ● いちご(94%) ● りんご(94%) ● キャベツ(93%) ● 人参(91%) |
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Bランク (70〜80%台) |
● ほうれん草(86%) ● 玉ねぎ(79%) ● ねぎ(79%) |
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Cランク (50〜60%台) |
● ブロッコリー(65%) ● かぼちゃ(57%) |
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Dランク (30%台) |
● さくらんぼ(38%) ● アスパラガス(36%) ● 生姜(32%) ● にんにく(32%) ● キウイ(31%) |
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Eランク (10%台) |
● 小麦(17%) ● オクラ(12%) ● パプリカ(12%) ● レモン(11%) |
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Fランク (一桁〜0%) |
● 大豆(6%) ● バナナ(0.1%未満) ● パイナップル(0.1%未満) ● オレンジ(0.1%未満) ● グレープフルーツ(0%) |
日本は四方を海に囲まれ、暖流の黒潮と寒流の親潮がぶつかる潮目があるなど、世界有数の好漁場に恵まれています。
かつては魚を「とる漁業」(沖合漁業、遠洋漁業)が中心でした。
排他的経済水域(200海里)の設定により、外国の海で自由に操業できなくなり、遠洋漁業は衰退しました。
魚のとりすぎによる水産資源の減少も深刻な問題です。
そのため、近年は魚や貝、海藻などを人の手で育てる「栽培漁業」や「養殖業」といった「つくり育てる漁業」の重要性が増しています。
(例:カキ、ホタテ、ブリ、ウナギの養殖など)
食料自給率:魚介類の自給率は約58%(2022年度)で、多くを海外からの輸入に頼っています。
日本は国土の約3分の2が森林という、世界有数の森林国です。
木材生産のほか、森林には、水を蓄えたり(緑のダム)、土砂災害を防いだり、二酸化炭素を吸収したりする重要な働きがあります。
外国産の安い木材に価格競争で負けてしまい、日本の林業は非常に厳しい状況にあります。
林業の担い手が減ったため、間伐(木を間引く作業)などの手入れがされずに荒れてしまった森林が増えています。
戦後に植えられたスギやヒノキの多くが、利用に適した時期を迎えていますが、十分に活用されていないのが現状です。
木材自給率:一時は20%程度まで落ち込みましたが、近年は国産材の利用促進などにより、約35%(2022年)まで回復してきています。
これまで見てきた農業・漁業・林業には、共通する大きな課題があります。
これが最も深刻な問題です。
農林水産業で働く人の平均年齢は非常に高く、65歳以上の高齢者が多くを占めています。
若者の就業が少なく、後を継ぐ人がいないため、このままでは日本の農林水産業そのものが成り立たなくなる恐れがあります。
日本の食料自給率(カロリーベース)は約38%(2022年度)と、先進国の中で極めて低い水準です。
これは、食料の多くを海外からの輸入に頼っていることを意味し、もし国際情勢の悪化などで輸入が止まってしまった場合、国民の食生活が大きな影響を受けるという食料安全保障上のリスクを抱えています。
海外から安い農産物などが輸入されることで、国内の生産者が価格競争で打撃を受けるのではないかと心配されています。
一方で、日本の高品質な農産物(和牛、果物など)を海外に輸出するチャンスと捉える動きもあります。
これらの課題を克服し、持続可能な農林水産業をどう実現していくかが、日本の大きなテーマとなっています。