「少子高齢化(しょうしこうれいか)」という言葉は、実は2つの社会現象が合わさったものです。
少子化とは、生まれてくる赤ちゃんの数が減り続け、社会全体に占める子どもの割合が低くなることです。
● 晩婚化・非婚化:結婚する年齢が上がったり、結婚しないことを選ぶ人が増えたりしていること。
● 子育ての経済的負担:子どもを一人育てるのには、教育費など非常に多くのお金がかかること。
● 仕事と育児の両立の難しさ:特に女性が、出産や育児のために仕事を辞めなければならなかったり、キャリアを諦めなければならなかったりする社会環境。
● 価値観の変化:人々のライフスタイルや家族に対する考え方が多様化していること。
高齢化とは、社会全体に占める65歳以上の高齢者の割合が高くなることです。
● 平均寿命の延び:医療の進歩や食生活の改善により、日本は世界トップクラスの長寿国になりました。
人々が健康で長生きできるようになったこと自体は、とても素晴らしいことです。
● 少子化の影響:長生きするお年寄りが増える一方で、生まれてくる子どもが減っているため、結果として、全人口に占める高齢者の割合がどんどん高くなっていきます。
日本は、高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)が21%を超える「超高齢社会」に突入しています。
生まれる人(出生数)が、亡くなる人(死亡数)よりも少なくなれば、当然、国の総人口は減っていきます。
これが「人口減少」です。
日本の総人口は、2008年頃をピークに、本格的な人口減少社会に入りました。
人口構成のバランスを見るには、「人口ピラミッド」がとても分かりやすいです。
子どもの数が多く、高齢者が少ない、きれいな三角形のピラミッド型でした。
多くの若者で、少ない高齢者を支える「胴上げ型」の社会でした。
子どもの数が少なく、中年~高齢者の数が多い、真ん中が膨らんだつぼ型になっています。
少ない若者で、多くの高齢者を支える「肩車(かたぐるま)型」の社会に変化しています。
では、この人口構造の変化は、私たちの社会や生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
働く世代の中心である生産年齢人口(15歳~64歳)が急激に減少します。
その結果、工場やお店、病院や介護施設など、社会のあらゆる場所で人手不足が深刻になります。
国の経済全体が縮小してしまう恐れがあります。
日本の年金や医療といった社会保障制度は、現役世代が払う保険料で、高齢者の生活を支える仕組みになっています。
「肩車型」の社会になると、支える側(現役世代)の負担がどんどん重くなっていきます。
将来、私たちがもらえる年金が減ったり、医療費の自己負担が増えたりする可能性があります。
人口減少は、特に地方で深刻です。
学校や病院、お店が次々となくなり、バス路線も廃止されるなど、生活そのものが困難になります。
村の祭りなどの伝統文化を維持することも難しくなります。
管理されなくなった空き家や耕作放棄地が増え、国土が荒れてしまいます。
この大きな課題に対し、国や自治体は様々な対策を進めようとしています。
● 少子化対策:保育所の整備、育児休業の取得支援、子育て世帯への経済的支援など。
● 高齢化対策:高齢者が健康で元気に働き続けられる社会の仕組みづくり、介護サービスの充実など。
● 労働力不足対策:ロボットや人工知能(AI)の活用、外国人労働者の受け入れなど。
日本の「少子高齢化」と「人口減少」は、単なる人口の数字の問題ではありません。
国の経済、社会保障、そして地域社会のあり方そのものを揺るがす、未来の日本の形を決める最も大きな課題です。
これから社会に出ていく皆さん一人ひとりが、この問題にどう向き合っていくかが問われています。