まず、アマゾン川とそこに広がる熱帯雨林が、地球にとってどれほど重要なのかを知ることが大切です。
● アマゾン川:流れる水の量(流量)と川の流域面積(雨水が集まる範囲)が世界一の巨大な川です。
● 熱帯雨林(セルバ):アマゾン川流域には、セルバと呼ばれる世界最大の熱帯雨林が広がっています。
その面積は日本の約15倍にもなります。
アマゾンの木々は、光合成によって、地球の酸素のおよそ20%を作り出していると言われています。
同時に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO₂)を大量に吸収してくれます。
この働きから、アマゾンの熱帯雨林は「地球の肺」と呼ばれています。
地球上にいる生物の種の半分以上が生息しているとも言われ、まだ発見されていない新種の動植物や、薬の原料となる貴重な植物も多く存在します。
これほど重要で貴重な熱帯雨林が、今、驚くべきスピードで失われ続けています。
サッカーコート数面分が1分ごとに消えている、とも言われるほどの速さです。
熱帯雨林が減少しているのには、主に人間の経済活動が関係しています。
牛肉の需要が世界的に増えているため、牛を育てるための牧場を広げる必要があり、そのために森林を大規模に焼き払っています。
これが最大の原因と言われています。
牛などの家畜のエサになる大豆や、パーム油(お菓子や洗剤の原料)などを大規模に栽培(プランテーション)するために、森林を伐採して畑に変えています。
ブラジルは鉄鉱石などの鉱産資源が豊富です。
これらの資源を採掘するための鉱山開発によって、森林が切り開かれています。
木材そのものを建築材料や紙の原料として輸出するために、木を切り倒しています。
(違法な伐採も問題になっています。)
木材や資源を運び出したり、人々の生活のために道路やダムを建設したりすることも、森林を破壊する原因となります。
これらの背景には、ブラジルなどの国々が貧困から抜け出し、経済的に発展したいという事情も複雑に絡んでいます。
熱帯雨林の減少は、地球全体に深刻な影響を及ぼします。
二酸化炭素を吸収してくれる「肺」が小さくなるため、大気中の二酸化炭素が増え、地球温暖化がさらに進んでしまいます。
また、森林を燃やすこと自体が、大量の二酸化炭素を排出します。
森に住んでいた多くの種類の動植物が、住む場所を失い、絶滅の危機に瀕します。
これにより、未来の薬の原料など、人類にとっての貴重な資源が永遠に失われる可能性があります。
昔から森と共に生きてきた先住民族の人々の生活の場が奪われてしまいます。
木々がなくなると、雨が降った時に土が直接むき出しになり、栄養分のある土壌が川に流れ出てしまいます。
その結果、土地はやせ細り、農業もできなくなってしまいます。
この深刻な問題に対して、様々な取り組みが行われています。
日本などの先進国が資金や技術を提供して、森林の再生を支援しています。
人工衛星を使って違法な伐採を監視し、取り締まりを強化しています。
私たちが買い物をするときに、FSC認証など、適切に管理された森林の木材から作られた製品を選ぶことも、間接的に森林保護につながります。
アマゾンの環境問題は、遠い国の話ではなく、私たちが食べる牛肉や使う製品を通じて、私たちの生活と密接につながっている地球規模の課題なのです。