まず、プランテーション農業がどのようなものかを知ることがスタートです。
19世紀から20世紀にかけて、アフリカの多くの国はヨーロッパの植民地でした。
ヨーロッパの国々は、自分たちの国で必要なお茶やコーヒー、カカオ、天然ゴムといった作物を安く手に入れるため、植民地の広大な土地に大規模な農園(プランテーション)を作りました。
● 大規模・単一栽培:広大な土地で、カカオならカカオだけ、というように一種類の商品作物だけを集中的に作ります。
● 安い労働力:現地の人々を安い賃金で働かせ、利益のほとんどはヨーロッパの宗主国が独占しました。
● 輸出が目的:生産された作物は、アフリカの人々が食べるためではなく、すべてヨーロッパなどへ輸出するために作られました。
ガーナ、コートジボワール:カカオ豆(チョコレートの原料)
ケニア:茶、コーヒー
植民地時代にプランテーション農業が強制的に広められた結果、多くの国は独立後もその経済の仕組みを引きずることになりました。
このように、国の経済が、特定の1種類、あるいはごく少数の農産物や鉱産資源の輸出に大きく依存している状態をモノカルチャー経済と呼びます。
「モノ」は「単一の」、「カルチャー」は「栽培」を意味します。
つまり、「単一栽培に頼る経済」ということです。
農業だけでなく、ナイジェリアの石油や、ザンビアの銅のように、鉱産資源に頼る場合もモノカルチャー経済と呼ばれます。
一本の足で立っているようなモノカルチャー経済は、非常に不安定で多くの問題を抱えています。
輸出している産物の世界的な価格は、常に変動しています。
例えば、カカオ豆が世界中で豊作になって値下がりすると、ガーナの国の収入は激減してしまいます。
逆に、不作で価格が上がっても、収穫量が少ないため、やはり収入は増えません。
このように、自分たちの努力とは関係ないところで経済が大きく揺さぶられてしまいます。
もし、頼りにしている作物 DROUGHTや病気が発生して大凶作になったら、国の経済全体が深刻なダメージを受けてしまいます。
国民が食べるための作物ではなく、輸出用のお金になる作物ばかりを優先して作ってきたため、自分たちの国で食べる食料が不足しがちです。
そのため、外国から食料を輸入しなければならず、もし輸入する食料の値段が上がると、国民の生活は非常に苦しくなります。
カカオ豆を原料のまま安く輸出してしまうため、それを加工してチョコレートのような付加価値の高い製品を作る国内の工業がなかなか発展しません。
これでは、国はいつまでも豊かになることができません。
このような不安定な経済から抜け出すために、アフリカの国々は様々な取り組みを進めています。
これを「モノカルチャー経済からの脱却」と呼びます。
これまでの作物や資源だけでなく、様々な産業を育てようという動きです。
● 農業の多角化:輸出用の作物だけでなく、国内で消費するための食料作物の生産を増やす。
● 工業化の推進:原料をそのまま輸出するのではなく、国内の工場で加工して製品にしてから輸出します。
例えば、カカオ豆をチョコレートに、原油をガソリンに加工することで、より高い価格で売ることができ、国内に雇用も生まれます。
● 観光業の振興:豊かな自然や世界遺産などを活かして、観光業を新たな収入源にしようとしています。
しかし、新しい産業を育てるには、工場を建設するための資金や技術、そして働く人々の教育が必要です。
また、道路や港、電力といったインフラの整備も不可欠であり、多くの国でこれらの課題に直面しています。
アフリカのプランテーション農業とモノカルチャー経済は、植民地時代の歴史が現代に残した大きな課題です。
特定の産物に頼る不安定な経済から抜け出し、多様な産業を育てて経済的に自立すること(モノカルチャー経済からの脱却)が、アフリカの国々の安定と発展のために非常に重要なテーマとなっています。