アフリカの最も根深く、広範な課題が貧困です。
ここでいう貧困とは、単にお金がないということだけではありません。
安全な水や十分な食料、教育、医療などが手に入らない状態を指します。
● 歴史的な背景:植民地時代に、ヨーロッパの都合の良い経済の仕組み(モノカルチャー経済など)が作られ、独立後も経済的に自立するのが難しい国が多いです。
● 教育の不足:学校に行けず、読み書きや計算ができないと、良い仕事に就くことが難しく、貧困から抜け出すきっかけを掴めません。
家計を助けるために、子どもが学校へ行かずに働かされることもあります。
● インフラの未整備:道路や電気、水道などの社会の基盤が整っていないため、産業が発展しにくく、人々の生活も不便なままです。
貧困は、次に説明する紛争や医療の問題を引き起こし、またそれらの問題によってさらに貧困が深刻化するという悪循環を生んでいます。
アフリカでは、残念ながら今も多くの地域で紛争や内戦が続いています。
● 人工的な国境線:植民地時代、ヨーロッパの国々がアフリカの民族の分布を無視して、地図の上に定規で線を引くように勝手に国境を決めました。
その結果、もともと対立していた民族が同じ国に住むことになったり、逆に同じ民族が別の国に引き裂かれたりしました。
これが独立後の民族対立や紛争の大きな原因となっています。
● 資源の奪い合い:ダイヤモンドやレアメタルといった豊かな鉱産資源の利益をめぐって、政府と反政府勢力などが争うことがあります。
● 貧困と政治の不安定:貧困による国民の不満が、政府への反乱につながったり、政治的な対立が激化して内戦に発展したりします。
紛争が起こると、多くの人々が住む場所を追われて難民となり、畑を耕すこともできなくなるため、食料不足や貧困がさらに深刻化します。
医療体制のぜい弱さも、アフリカが抱える深刻な問題の一つです。
● 医師・医療従事者の不足:人口に対して医師や看護師の数が圧倒的に足りていません。
そのため、病気になっても診てもらえるまでに時間がかかったり、質の高い医療を受けられなかったりします。
● 病院や設備の不足:病院や診療所そのものが少ない上に、医薬品や医療機器も不足しています。
特に、都市部から離れた農村部では、医療サービスへのアクセスが非常に困難です。
● 感染症のまん延:HIV/エイズ、マラリア、結核といった感染症が今なお多くの人々の命を脅かしています。
安全な水が手に入らないことによる衛生環境の悪さも、病気が広がる原因の一つです。
貧困によって栄養状態が悪化すると、病気にかかりやすくなります。
そして、病気になると働けなくなり、さらに貧困が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
このように、アフリカが抱える「貧困」「紛争」「医療」の課題は、互いに原因となり、結果となる「負の連鎖」の関係にあります。
● 貧困が教育の機会を奪い、資源をめぐる紛争を引き起こす。
● 紛争が人々を貧困に陥れ、国の医療体制を破壊する。
● 医療の問題が人々の命を奪い、働く力を失わせ、貧困から抜け出せなくする。
この複雑な課題を解決するためには、食料支援や医療支援といった緊急の援助と同時に、教育の普及や産業の育成、そして何よりも平和な社会を築くといった、長期的で多角的な取り組みが不可欠です。
日本をはじめとする国際社会は、NPOやNGOなどを通じて、これらの課題解決に向けた支援を続けています。