夜空を見上げると、ひときわ明るく輝く月と金星。
しかし、よく観察してみると、月は日によって形を変え、金星は見える時間や場所が決まっています。
これらの不思議な見え方は、どちらも太陽の光を反射して輝いていることと、地球・太陽との位置関係が変化することで説明できます。
ここでは、地球のすぐ近くを回る「月」と、地球の内側を回る「金星」の見え方の違いと、その理由を詳しく探っていきましょう。
月の形が変わって見えるのは、月が地球の周りを約1ヶ月かけて公転しているためです。
これにより、太陽、地球、月の位置関係が変わり、地球から見たときに月の太陽に照らされている部分の見え方が変化するのです。
月は自ら光っているのではなく、太陽の光を反射している。
そのため、月の半分は常に太陽に照らされて明るく、反対側は暗い。
月の満ち欠けは、太陽と月の位置関係で決まります。
| 名称 | 位置関係(太陽-地球-月の順) | 地球からの見え方 | 主な観察時間 |
|---|---|---|---|
| 新月 | 太陽と同じ方向 | 見えない | 昼間 |
| 三日月 | 新月と上弦の月の間 | 細い弧状に光る(右側) | 夕方の西の空 |
| 上弦の月 | 太陽-地球-月が90°に (月の出:正午ごろ) |
右半分が光る半月 | 夕方~真夜中 |
| 満月 | 地球をはさんで太陽と反対側 (月の出:夕方ごろ) |
全面が丸く光る | 一晩中 |
| 下弦の月 | 太陽-地球-月が90°に (月の出:真夜中ごろ) |
左半分が光る半月 | 真夜中~明け方 |
新月 → (三日月) → 上弦の月 → 満月 → 下弦の月 → 新月 … と約29.5日周期で繰り返されます。
太陽の光は常に同じ方向(図では右側)から当たっていると考える。
地球から見て、月のどの部分が光って見えるかを想像するのがコツです。
金星は、地球よりも内側を公転している内惑星です。
そのため、月とは少し違った、しかし面白い見え方をします。
金星は地球より内側の軌道を回っているため、地球から見ると太陽から大きく離れて見えることがありません。
そのため、太陽が沈んだ直後の夕方の西の空か、太陽が昇る直前の明け方の東の空にしか見えません。
真夜中の空に金星が見えることは絶対にないのです。
金星も月と同じように、太陽の光を反射して輝いており、公転によって位置関係が変わるため満ち欠けして見えます。
しかし、月と決定的に違うのは、見かけの大きさが大きく変わることです。
これは、金星と地球との距離が、公転によって大きく変化するためです。
| 位置 | 地球からの距離 | 見かけの大きさ | 満ち欠けの形 | 見える時間帯 |
|---|---|---|---|---|
| 内合 | 最も近い | 最大 | 新月(見えない) | - |
| 西方最大離角 | 近い | 大きい | 半月状 | 明け方の東の空 |
| 外合 | 最も遠い | 最小 | 満月(ほぼ見えない) | - |
| 東方最大離角 | 近い | 大きい | 半月状 | 夕方の西の空 |
金星は、満月に近く見えるときほど地球から遠いため小さく見え、三日月のように細く欠けて見えるときほど地球に近いため大きく見える。
この「満ち欠け」と「見かけの大きさ」の2つの変化を組み合わせることで、天体が地球の周りを回っているのか(月)、太陽の周りを回っているのか(金星)を見分けることができるのです。