夜空に輝く星や太陽は、毎日同じように東から昇って西に沈み、季節が変わると見える星座も変わっていきます。
これらの天体の動きは、実は星々が動いているのではなく、私たちが乗っている地球自身が動いているためにそう「見える」見かけの動きなのです。
ここでは、地球の2つの重要な動き「自転」と「公転」が、どのようにして太陽や星の見かけの動きを生み出しているのか、その壮大な仕組みを詳しく解説します。
まず、地球には2種類の大きな動きがあります。
この2つを理解することが、天体の動きを理解する上での大前提となります。
自転とは?: 地球が、その中心を貫く地軸(ちじく)を回転軸として、1日に1回、コマのように回転することです。
回転の向き: 西から東へ(北極側から見ると反時計回り)。
周期: 約24時間。
この動きが引き起こすこと: 太陽や星が1日かけて空を一周するように見える日周運動(にっしゅううんどう)と、昼と夜が生まれる原因となります。
公転とは?: 地球が、太陽の周りを1年かけて1周することです。
回転の向き: 西から東へ(北極側から見ると反時計回り)。
周期: 約365日。
この動きが引き起こすこと: 季節によって見える星座が変わったり、太陽が星座の中を移動していくように見えたりする年周運動(ねんしゅううんどう)と、季節の変化の原因となります。
地球が西から東へ自転しているため、地上にいる私たちから見ると、天体が逆方向の東から西へと動いていくように見えます。
これを日周運動といいます。
地球は24時間で360°回転するので、天体は 1時間あたり15° (360÷24) の速さで動いていくように見えます。
太陽が東の空からのぼり、南の空を通って、西の空へしずむように見える動きです。
これにより、太陽が見えている時間帯が「昼」、見えなくなる時間帯が「夜」となります。
夜空の星々も、太陽と同じように東から西へと動いて見えます。
しかし、天の北極(地軸の北側の延長線上)のほぼ真上にある北極星だけは、ほとんど動かずに見えます。
そのため、すべての星は北極星を中心として、反時計回りに円を描くように動いて見えます。
| 観察する方角 | 星の動き方 |
|---|---|
| 北の空 | 北極星を中心に反時計回りに回転する。 |
| 東の空 | 右ななめ上へ昇っていく。 |
| 南の空 | 東から西へと水平に移動していく。 |
| 西の空 | 右ななめ下へ沈んでいく。 |
地球が太陽の周りを公転することで、地球から見る星座の位置が1年をかけて変化していきます。
これを年周運動といいます。
地球は365日で360°公転するので、天体は 1日あたり約1° (360÷365) ずつ動いていくように見えます。
同じ時刻に夜空を観察し続けると、星座全体が毎日少しずつ東から西へと位置をずらしていき、1年経つと元の位置に戻って見えます。
これが、季節によって見える星座が変わる理由です。
例えば、夏には地球が公転軌道のある位置にいるため、夜の方向にはさそり座などが見えます。
しかし、昼の方向には冬の星座であるオリオン座があるため、見ることはできません。
半年後、地球が公転して太陽の反対側に移動すると、今度は夜の方向にオリオン座が見えるようになります。
星の年周運動とは逆に、星座を背景として見ると、太陽の方が西から東へと星座の間を移動し、1年で1周するように見えます。
この太陽の見かけの通り道のことを黄道(こうどう)といい、その通り道にある12の星座を黄道12星座(いわゆる星占いの星座)と呼びます。
| 地球の動き(原因) | 天体の見かけの動き(結果) | |
|---|---|---|
| 自転(1日1回、西→東) | 日周運動 | 太陽の動き: 東→南→西へ沈む 星の動き: 北極星を中心に東→西へ動く 起こる現象: 昼と夜 |
| 公転(1年1周、西→東) | 年周運動 | 太陽の動き: 星座の中を西→東へ移動する 星の動き: 同じ時刻に見ると東→西へ動く 起こる現象: 季節の変化、季節の星座の変化 |
この「地球の動き」と「天体の見かけの動き」の関係をしっかり理解することが、天文学を学ぶ上での第一歩です。
自分が地球という乗り物に乗って宇宙を旅している様子を想像すると、もっと面白く感じられるかもしれません。