植物は、一見静かに見えますが、生きていくために体の中で様々な活動をしています。
ここでは、植物の体「根・茎・葉」がそれぞれどのような役割分担をしているのか、そして生命活動の中心である「光合成」「呼吸」「蒸散」について、詳しく見ていきましょう。
植物の体は、主に「根」「茎」「葉」の3つの部分から成り立っています。
地面の下に伸びる根には、2つの大切な役割があります。
体を支える: 地中にしっかりと根を張ることで、植物は地上で倒れることなく体を支えることができます。
水と養分の吸収: 土の中にある水と、水に溶けた肥料分(養分)を吸収します。
根の先端近くには、根毛(こんもう)という綿毛のようなものがたくさん生えており、効率よく水分などを吸収できるよう表面積を大きくしています。
根と葉をつなぐ茎は、植物の体を支える柱であり、重要な通り道です。
体を支える: 葉や花を支え、葉が光を受けやすいように広げます。
物質の輸送: 茎の中には維管束(いかんそく)という管の束が通っています。
維管束は2種類の管からできています。
道管(どうかん): 根が吸収した水や養分を葉まで運ぶ管です。
師管(しかん): 葉でつくられた栄養分を、植物の体全体(根や新しい芽など)に運ぶ管です。
薄く広がった葉は、植物が生きていくための「工場」のような場所です。
光合成: 光を受けて、生きていくための栄養分(デンプンなど)をつくります。
呼吸: 酸素を取り込み、二酸化炭素を出す活動を行います。
蒸散: 体の中の水分を水蒸気として外に出します。
葉の表面には気孔(きこう)という小さな穴がたくさんあり、これらの気体の出入り口となっています。
気孔は、特に葉の裏側に多く存在します。
次に、主に葉で行われる「光合成」「呼吸」「蒸散」という3つの重要な働きについて詳しく見ていきましょう。
植物が、光のエネルギーを利用して、水と二酸化炭素を材料に、栄養分(デンプンなど)を作り出す働きです。
このとき、副産物として酸素が作られます。
行われる場所: 葉の細胞の中にある葉緑体(ようりょくたい)という緑色の粒。
行われる時間: 光のある昼間。
式: 水 + 二酸化炭素 →(光エネルギー)→ 栄養分(デンプンなど) + 酸素
植物も動物と同じように、生きるためのエネルギーを取り出すために呼吸をしています。
光合成でつくった栄養分などを、酸素を使って分解し、エネルギーを取り出します。
このとき二酸化炭素が排出されます。
行われる場所: すべての生きている細胞。
行われる時間: 一日中(昼も夜も)。
式: 栄養分 + 酸素 → エネルギー + 水 + 二酸化炭素
植物が、体の中の水分を主に葉の気孔から水蒸気として放出する現象です。
主な役割:
根からの水の吸い上げ: 葉から水分が出ていくことで、根から新しい水を吸い上げる原動力となります。
体温調節: 蒸散によって熱が奪われるため、葉の温度が上がりすぎるのを防ぎます。
植物は、光がある昼とない夜で、気体の出入りが大きく異なります。
| 昼(光があるとき) | 夜(光がないとき) | |
|---|---|---|
| 光合成 | さかんに行なう | 行なわない |
| 呼吸 | 行なう | 行なう |
| 気体の出入り | 呼吸で使う酸素よりも 光合成で出す酸素の方が多いため、 二酸化炭素を吸って、酸素を出す。 |
呼吸だけを行なうため、 酸素を吸って、二酸化炭素を出す。 |
このように、根・茎・葉はそれぞれが大切な役割を担い、光合成、呼吸、蒸散という働きを通じて、植物はたくましく生きています。
身の回りの植物を観察するときに、これらの働きを思い出してみると、新しい発見があるかもしれません。