生態系

 

 

自然界の絶妙なバランス「生態系」のしくみ

私たちの周りの公園や森、川などには、たくさんの種類の生物が暮らしています。

これらの生物は、お互いに影響を与え合い、また、太陽の光や水、空気といった周りの環境とも関わり合いながら生きています。

このように、ある地域にすむ生物たちと、それらを取り巻く環境を一つのまとまりとしてとらえたものを生態系といいます。

ここでは、生態系を成り立たせる「食物連鎖」と、その絶妙な「生物間のつり合い」について詳しく見ていきましょう。

 

1. 生態系を支える3つの役割

生態系にすむ生物は、その栄養の取り方(働き)によって、大きく3つのグループに分けられます。

 

● 生産者(せいさんしゃ):

役割:光合成によって、水や二酸化炭素などの無機物から、デンプンなどの有機物(栄養分)を作り出す生物。

代表例:植物、植物プランクトンなど。

生態系のすべての栄養分の源を作り出す、最も土台となる重要な存在です。

 

● 消費者(しょうひしゃ):

役割:生産者や他の消費者を食べることによって、有機物(栄養分)を得る生物。

代表例:動物全般。

一次消費者:生産者(植物)を食べる草食動物。

(例:バッタ、シカ)

二次消費者:一次消費者を食べる肉食動物。

(例:カエル、キツネ)

三次、四次…:さらにそれらを食べる高次の肉食動物。

(例:ヘビ、タカ)

 

● 分解者(ぶんかいしゃ):

役割:生物の死がいやふんなどの有機物を、二酸化炭素や水などの無機物に分解する生物。

代表例:菌類(キノコ、カビ)、細菌類(納豆菌など)。

分解者が作り出した無機物は、再び生産者である植物の栄養として利用されます。

これにより、生態系の中で物質がぐるぐると循環しているのです。

 

2. 食物連鎖 ~「食べる・食べられる」のつながり~

生態系の中では、多くの生物が「食べる・食べられる」という一本の鎖のような関係でつながっています。

このつながりを食物連鎖(しょくもつれんさ)といいます。

(例)草原の生態系における食物連鎖

草(生産者) → バッタ(一次消費者) → カエル(二次消費者) → ヘビ(三次消費者) → タカ

● 生態ピラミッド:

食物連鎖の各段階(栄養段階)にいる生物の数や量を積み重ねてみると、一般的に生産者を土台としたピラミッド型になります。

これを生態ピラミッドといいます。

これは、上の段階の生物は、下の段階の生物が持つエネルギーの一部しか利用できないため、上の段階にいくほど個体数や生物量(重さ)が少なくなることを示しています。

 

3. 生物間のつり合い ~絶妙なバランス~

自然界の生態系は、長い年月をかけて、それぞれの生物の数が大きく増えたり減ったりしない、安定した状態に保たれています。

このバランスを生物間のつり合いといいます。

どうやってバランスを保っているの?

このつり合いは、食物連鎖の関係を通じて、自動的に調節される仕組みになっています。

(例)もし、草原でカエルが異常発生したら…?

カエルのエサが減る:カエルが増えすぎると、そのエサであるバッタが大量に食べられて減少します。

カエルを食べる敵が増える:カエルが増えると、それをエサとするヘビがエサに困らなくなり、数が増えやすくなります。

カエルの数が元に戻る:

● エサ(バッタ)が減ったことで、カエルは餓死しやすくなります。

● 天敵(ヘビ)が増えたことで、カエルは捕食されやすくなります。

この2つの要因によって、増えすぎたカエルの数は、やがて元の水準へと戻っていきます

このように、ある生物の数が一時的に変動しても、食物連鎖の関係を通じて、自然にバランスが回復する力が生態系には備わっているのです。

つり合いが崩れるとき

しかし、この絶妙なバランスは、人間の活動によって簡単に崩れてしまうことがあります。

環境破壊:森林伐採や開発によって、生物のすみかが奪われる。

乱獲:特定の生物を人間が獲りすぎる。

外来種の侵入:もともとその地域にいなかった生物(外来種)が持ち込まれ、天敵がいなかったり、在来種を食べ尽くしたりして、生態系を破壊する。

 

一度崩れてしまった生態系のバランスを元に戻すことは、非常に困難です。

私たち人間も生態系の一員として、この自然の絶妙なつり合いを理解し、守っていくことが大切なのです。