静電気

 

 

身近なフシギ現象「静電気」の正体を暴く!

冬にセーターを脱ぐと「バチバチッ!」と音がしたり、下敷きで髪の毛をこすると逆立ったり。

誰もが経験したことのあるこの現象が「静電気」です。

一体なぜ、このような不思議なことが起こるのでしょうか?

その原因は、すべての物質が持つ「電気」の粒にありました。

 

1. 静電気の正体は「電子」の移動

私たちの身の回りにあるすべての物質は、原子という目に見えない非常に小さな粒からできています。

この原子の構造が、静電気の秘密を解くカギとなります。

原子のつくり:

中心には、プラス(+)の電気を持つ原子核があります。

その周りを、マイナス(ー)の電気を持つ電子が飛び回っています。

普段の状態:

通常、原子はプラスの電気の量とマイナスの電気の量(電子の数)が同じです。

そのため、プラスとマイナスが打ち消し合い、原子全体としては電気を帯びていない中性の状態になっています。

静電気が発生する瞬間

異なる種類の物質同士をこすり合わせる(摩擦する)と、一方の物質からもう一方の物質へ、マイナスの電気を持つ「電子」が移動します。

この「電子の引っ越し」によって、原子の中のプラスとマイナスの電気のバランスが崩れること。

これが静電気の正体です。

 

2. プラスに帯電?マイナスに帯電?

電子が移動した後の物質は、電気的に偏った状態になります。

この、物質が電気を帯びる現象を帯電(たいでん)といいます。

マイナス(ー)に帯電する

原因: 他の物質から電子を受け取った。

状態: マイナスの電気(電子)の数が、プラスの電気の数よりも多くなった状態。

例: ストローをティッシュペーパーでこすると、ストローは電子を受け取ってマイナスに帯電します。

プラス(+)に帯電する

原因: 他の物質へ電子を失った(奪われた)。

状態: マイナスの電気(電子)の数が、プラスの電気の数よりも少なくなった状態。

例: ストローをティッシュペーパーでこすると、ティッシュペーパーは電子を失ってプラスに帯電します。

【重要ポイント】

摩擦によって移動するのは、常にマイナスの電気を持つ「電子」だけです。

中心にあるプラスの原子核は移動しません。

 

3. 電気の間に働く力

帯電した物質同士を近づけると、特別な力が働きます。

引き合う力(引力):

プラス(+)とマイナス(ー)のように、異なる種類の電気の間には、互いに引き合う力が働きます。

(例:マイナスに帯電した下敷きに、髪の毛(プラスに帯電しやすい)が引き寄せられる)

しりぞけ合う力(斥力・せきりょく):

プラス(+)とプラス(+)、またはマイナス(ー)とマイナス(ー)のように、同じ種類の電気の間には、互いにしりぞけ合う力が働きます。

(例:マイナスに帯電したストローを2本近づけると、反発して離れようとする)

 

4. 物質のなりやすさ「帯電列」

物質の種類によって、電子を受け取りやすい(マイナスになりやすい)か、失いやすい(プラスになりやすい)かの傾向が決まっています。

このなりやすさの順番に並べたものを帯電列(たいでんれつ)といいます。

(+になりやすい) 毛皮 > ガラス > ナイロン > 絹 > 木綿 > 紙 > ポリエステル > ポリエチレン > 塩化ビニル (ーになりやすい)

帯電列の使い方:

帯電列で離れた位置にある物質同士をこすり合わせるほど、静電気は発生しやすくなります。

こすり合わせたとき、帯電列で左側にある物質がプラスに、右側にある物質がマイナスに帯電します。

例: 「絹」と「ガラス」をこすり合わせると、ガラスがプラス(+)に、絹がマイナス(ー)に帯電します。

この静電気の基本的な性質を理解すると、なぜ冬に静電気が起こりやすいのか(空気が乾燥していると電気が逃げにくいため)といった、より進んだ内容も理解しやすくなりますよ。