私たちは、周りの世界で何が起こっているかを、見たり、聞いたり、においをかいだりして知ることができます。
これは、体中に備わった「感覚器官」という高性能な感知器(センサー)が、さまざまな刺激を受け取っているからです。
ここでは、代表的な感覚器官である「目」「耳」「鼻」などが、どのようにして外界の情報を捉えているのか、その精巧なつくりと働きについて探っていきましょう。
目は、光を刺激として受け取り、「見る」という感覚を生み出します。
そのつくりは、よくカメラにたとえられます。
| つくり | カメラでの役割 | 主な働き |
|---|---|---|
| レンズ(水晶体) | レンズ | 厚みを変えることで光を屈折させ、ピントを合わせる。 |
| 虹彩(こうさい) | しぼり | 瞳(ひとみ)の大きさを変えて、目に入る光の量を調節する。 (明るい場所では瞳は小さく、暗い場所では大きくなる) |
| 網膜(もうまく) | フィルム/センサー | レンズの後ろにあるスクリーン。 光の刺激を受け取る細胞が集まっている。 |
| 視神経(ししんけい) | ケーブル | 網膜が受け取った光の刺激を、信号として脳に伝える神経。 |
1. 物体から反射した光が、レンズ(水晶体)に入る。
2. レンズで屈折した光が、網膜に集まり、像を結ぶ。
3. 網膜にある細胞が光の刺激を受け取る。
4. その刺激が視神経を通じて脳に伝わり、「見えた」と認識される。
耳は、音(空気の振動)を刺激として受け取り、「聞く」という感覚を生み出します。
| つくり | 主な働き |
|---|---|
| 鼓膜(こまく) | 外から入ってきた音(空気の振動)によってふるえる薄い膜。 |
| 耳小骨(じしょうこつ) | 鼓膜の振動を増幅して、奥に伝える小さな3つの骨。 |
| うずまき管 | 内部は液体で満たされている。音の振動を受け取る細胞があり、ここで振動が刺激としてとらえられる。 |
| 聴神経(ちょうしんけい) | うずまき管が受け取った刺激を、信号として脳に伝える神経。 |
| (参考)半規管・前庭 | 体の回転や傾きといった平衡感覚をつかさどる部分で、聴覚とは別の働きをする。 |
1. 音(空気の振動)が耳に入り、鼓膜をふるわせる。
2. 耳小骨がその振動を大きくして、うずまき管に伝える。
3. うずまき管の中の液体がふるえ、中の細胞が振動を刺激として受け取る。
4. その刺激が聴神経を通じて脳に伝わり、「聞こえた」と認識される。
鼻は、空気中を漂う気体の化学物質を刺激として受け取り、「におい」の感覚を生み出します。
1. においの元となる気体の化学物質が鼻の中に入る。
2. 鼻の奥の天井部分にある粘膜(嗅粘膜)に、においの刺激を受け取る嗅細胞がある。
3. 化学物質がこの嗅細胞を刺激する。
4. その刺激が嗅神経(きゅうしんけい)を通じて脳に伝わり、「におう」と認識される。
私たちの体には、ほかにも様々な刺激を受け取るセンサーが備わっています。
| 感覚 | 器官 | 受け取る刺激 |
|---|---|---|
| 味覚 | 舌(した) | 液体の化学物質。舌にある味細胞(みさいぼう)で、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などを感じる。 |
| 皮膚感覚 | 皮膚 | 圧力、温度、痛みなど。皮膚には、圧点(圧力)、温点(温かさ)、冷点(冷たさ)、痛点(痛み)が点在している。 |
すべての感覚は、
①感覚器官が外部からの刺激を受け取る → ②神経が刺激を信号として脳に伝える → ③脳がその信号を「感覚」として認識する
という共通の過程で成り立っています。
これらの感覚器官が連携して働くことで、私たちは周りの世界を豊かに感じ取ることができるのです。