化学変化

 

 

物質が変身する「化学変化」の世界を探ろう!

私たちの身の回りでは、鉄がさびたり、食べ物が燃えたりと、物質が全く別の物質に変わってしまう現象が常に起こっています。

このような、もとの物質とは性質の異なる、まったく別の新しい物質ができる変化のことを化学変化といいます。

化学変化は、原子の「組み合わせ」が変わることで起こります。

原子そのものが消えたり、別の種類の原子に変身したりするわけではありません。

ここでは、化学変化の代表例である「分解」と「化合」について、その種類と具体例を詳しく見ていきましょう。

 

1. 分解 ―1つの物質が、2つ以上に分かれる化学変化―

分解とは、1種類の物質が、2種類以上のまったく別の物質に分かれる化学変化のことです。

分解を引き起こすエネルギーの種類によって、主に2つに分けられます。

① 熱分解:加熱による分解

物質を加熱することによって起こる分解です。

例:炭酸水素ナトリウムの熱分解

ホットケーキのふくらし粉(ベーキングパウダー)の主成分である炭酸水素ナトリウムを加熱すると、3つの物質に分解されます。

言葉の式: 炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 二酸化炭素 + 水

化学反応式: 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + CO₂ + H₂O

発生した二酸化炭素は石灰水を白くにごらせ、水は塩化コバルト紙を青色から赤色に変えることで確認できます。

例:酸化銀の熱分解

黒い粉である酸化銀を加熱すると、白い固体と気体に分かれます。

言葉の式: 酸化銀 → 銀 + 酸素

化学反応式: 2Ag₂O → 4Ag + O₂

発生した酸素は、火のついた線香を入れると激しく燃えることで確認できます。

② 電気分解:電気エネルギーによる分解

物質に電流を流すことによって起こる分解です。

例:水の電気分解

水に電流を流すと、2種類の気体に分解されます。

言葉の式: 水 → 水素 + 酸素

化学反応式: 2H₂O → 2H₂ + O₂

陽極(+極)に酸素が、陰極(-極)に水素が発生します。

発生する気体の体積の比は、水素:酸素 = 2:1 となります。

 

2. 化合 ―2つ以上の物質が、1つに結びつく化学変化―

化合とは、2種類以上の物質が結びついて、1つのまったく別の物質ができる化学変化のことです。

結びつく相手の物質によって、名前がつけられています。

① 酸化:酸素と結びつく化合

物質が酸素と結びつく化合を酸化といい、できた物質を酸化物といいます。

物質が光や熱を出しながら激しく酸化することを特に燃焼といいます。

例:鉄の酸化

鉄(スチールウール)を燃やすと、空気中の酸素と結びついて黒い酸化鉄になります。

言葉の式: 鉄 + 酸素 → 酸化鉄

化学反応式: 2Fe + O₂ → 2FeO (※できる酸化鉄には種類があります)

鉄がさびるのも、空気中の酸素とゆっくり結びつく酸化の一種です。

例:マグネシウムの酸化

マグネシウムリボンを燃やすと、強い光と熱を出して、白い酸化マグネシウムができます。

言葉の式: マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム

化学反応式: 2Mg + O₂ → 2MgO

② 硫化:硫黄と結びつく化合

物質が硫黄(いおう)と結びつく化合を硫化といい、できた物質を硫化物といいます。

例:鉄と硫黄の化合

鉄粉と硫黄の粉をよく混ぜて加熱すると、激しく反応して黒い硫化鉄という物質ができます。

言葉の式: 鉄 + 硫黄 → 硫化鉄

化学反応式: Fe + S → FeS

化学変化が起こった証拠:

反応前の鉄は磁石にくっつきますが、できた硫化鉄は磁石にくっつきません。

反応前の鉄にうすい塩酸を加えると水素が発生しますが、できた硫化鉄にうすい塩酸を加えると、卵の腐ったようなにおいのする硫化水素という別の気体が発生します。

このように、もとの物質とは明らかに性質が異なることから、化学変化が起きたことがわかります。

 

まとめ

化学変化の種類 意味 エネルギー 具体例
分解 1種類 → 2種類以上 熱、電気など 炭酸水素ナトリウムの熱分解、水の電気分解
化合 2種類以上 → 1種類 熱など 鉄の酸化(燃焼)、鉄と硫黄の硫化

これらの化学変化は、原子たちがパートナーを組み替えることで起こる、ダイナミックな物質の変身劇なのです。