私たちの周りには、物体を押したり引いたり、形を変えたり、運動の状態を変えたりする「力」が常に働いています。
力は目には見えませんが、その働きを理解することで、身の回りの様々な現象を科学的に説明できるようになります。
ここでは、力の基本から圧力、浮力といった少し複雑な力まで、その性質と働きを詳しく見ていきましょう。
理科で力を扱うときには、その「大きさ」と「向き」を明確にする必要があります。
そのため、力は矢印を使って表します。
作用点(さようてん): 力が働く点。
矢印の始点になります。
力の向き: 矢印の向きで表します。
力の大きさ: 矢印の長さで表します。
長いほど大きな力を示します。
力の大きさの単位には N(ニュートン) を使います。
質量100gの物体に働く重力の大きさが約1Nです。
一つの物体に複数の力が働いているにもかかわらず、その物体が静止し続けているとき、それらの力は「つり合っている」といいます。
綱引きで両チームの力が同じで動かない状態をイメージするとわかりやすいでしょう。
力の大きさが等しい。
力の向きが反対(逆向き)である。
2つの力が同一直線上にある。
この3つの条件がすべてそろうと、力は互いに打ち消し合い、物体は動きません。
ばねにおもりをつるすと伸びます。
このときの「ばねののび」と「力の大きさ(おもりの重さ)」の間には、きれいな比例関係があります。
これをフックの法則といいます。
ばねののびは、ばねを引く力の大きさに比例する。
注意点: 法則が成り立つのは「ばねの長さ」ではなく、「もとの長さからののび」である点に注意が必要です。
この法則を利用して、ばねは体重計など身の回りの様々な道具に使われています。
同じ大きさの力でも、その力がどのくらいの面積に働くかによって、効果は大きく変わります。
この単位面積あたりに垂直に働く力の大きさのことを圧力といいます。
圧力 (Pa) = 力の大きさ (N) ÷ 力が働く面積 (㎡)
単位: 圧力の単位は Pa(パスカル) または N/㎡ を使います。
力の大きさが同じなら、面積が小さいほど圧力は大きくなります。
画びょうの針が細いのは、小さな力で大きな圧力を生み出し、壁に刺さりやすくするためです。
水などの液体の中にある物体は、その液体から上向きの力を受けます。
この力を浮力といいます。
船が水に浮かんだり、水中では体が軽く感じたりするのは、この浮力のおかげです。
水中では、深い場所ほど水圧(水の重さによる圧力)が大きくなります。
そのため、物体の上下面で水圧に差が生じ、下面から受ける上向きの力の方が大きくなるため、結果として上向きの力である浮力が生じます。
浮力の大きさは、物体が押しのけた液体の重さに等しくなります(アルキメデスの原理)。
つまり、水中に沈んでいる物体の体積が大きいほど、浮力は大きくなります。
物体が完全に水中に沈んでしまえば、それ以上深く沈めても浮力の大きさは変わりません。
これらの力のルールを理解すると、日常の様々な現象がなぜ起こるのかが分かり、理科の学習がさらに面白くなります。