漢文とは、古代中国で使われていた言葉(漢語)で書かれた文章のことです。
日本は古くから中国の文化の影響を強く受けてきたため、昔の日本の文章や言葉には漢文が大きな影響を与えています。
漢文を学ぶことは、日本語のルーツや日本の古典文化を深く知ることにつながります。
漢文は漢語の文章なので、そのままでは日本語として読めません。
そこで、日本人が読めるようにするための特別なルールが作られました。
これを訓読といい、漢文学習の基本となります。
漢文は本来、上から下へ読んでいきますが、日本語の語順(主語→目的語→述語など)にするために、
読む順番を入れ替える必要があります。
そのための記号が「返り点」です。
レ点は、下の文字から上の文字に返りながら読みます。
| 温 | ② | |
| レ | ||
| 故 | ① | |
| 知 | ④ | |
| レ | ||
| 新 | ③ |
書き下し:故きを温めて新しきを知る
一二点は、「二」をとばして「一」まで読んでから、「二」に戻って読みます。
| 我 | ① | |
| 思 | ④ | |
| 二 | ||
| 故 | ② | |
| 郷 | ③ | |
| 一 |
書き下し:我は故郷を思ふ
漢字の右下にカタカナで書かれた小さな文字です。日本語として読む際の助詞、助動詞、活用語尾などを示します。
例:「読 書」に送り仮名を付けると → 「読 ム 書 ヲ」
これを書き下し文にすると「書を読む」となります。
「而」「於」「耶」「也」「乎」「哉」などは、 置き字と言って、 文章の調子を整えたり、特定の意味を添えたりするために置かれる漢字のことです。
書き下し文にする時は、原則として読まずに置いておきます。
| 而 | 「そして」「しかし」など、順接・逆接を表す。 |
| 於・于・乎 | 場所・時間・対象などを示し、「~に」「~を」「~より」などと訳される。 |
| 矣・焉・也 | 文末に置かれ、断定や強調、詠嘆を表す。 |
一行が五文字なら五言、七文字なら七言という。
漢詩が四行なら絶句、八行なら律詩という。
絶句は起承転結で構成され、律詩は偶数の句末で韻を踏む(押韻)。
一行五文字、漢詩が四行構成なら、五言絶句、一行七文字、漢詩が八行構成なら、七言律詩という。
(他:七言絶句、五言律詩)
| 白文 | 返り点や送り仮名が全くない、元の漢文。 |
| 訓読文 | 白文に返り点と送り仮名を付けたもの。 |
| 書き下し文 | 訓読文を、返り点のルールに従って日本語の語順に直し、 送り仮名をひらがなにして書き表したもの。 |
| 現代語訳 | 書き下し文を、現代の自然な日本語に翻訳したもの。 |
例
| 白文 | 学而時習之 |
| 訓読文 | 学 ビテ 而 時 ニ 習 フ 之 ヲ |
| 書き下し文 | 学びて時に之を習ふ。 |
| 現代語訳 | 学んだことを機会があるごとに復習する。 |