仮定法は、「もし(今)~だったら、…だろうに」という、現在の事実とは異なることや、実現する可能性が極めて低いことを想像して話すときに使う表現です。
まず、仮定法が普通の if を使った文とどう違うのかを理解することが大切です。
If it is sunny tomorrow, we will go on a picnic. :もし明日晴れたら、私たちはピクニックに行きます。
→ これは、明日晴れる可能性がある未来の話です。
If I were a bird, I could fly to you. :もし私が鳥だったら、あなたのところに飛んでいけるのに。
→ 実際には私は鳥ではないし、飛ぶこともできません。現在の事実とは違う、あり得ない空想の話です。
仮定法過去は、「過去」という名前がついていますが、表す意味は現在の事実とは異なる仮定です。
なぜ「過去」かというと、動詞の形に過去形を使うからです。
「形は過去、意味は現在」という時制のズレがあります。
If + 主語 + 動詞の過去形 ~, 主語 + would / could + 動詞の原形.
前半の If の節(条件節)では、動詞を過去形にします。
後半の主節(帰結節)では、助動詞の過去形 (would, could など) + 動詞の原形を使います。
※be動詞の特別ルール
If の節の中で be動詞 を使う場合、主語が I, he, she などであっても、原則として were を使います。
If I were you, ~
If I were you, I would not do such a thing. :もし私があなただったら、そんなことはしないでしょうに。
→ 事実:私はあなたではない。
If I had a lot of money, I could buy that car. :もし私がたくさんお金を持っていたら、あの車を買うことができるのに。
→ 事実:私はたくさんお金を持っていない。
If he knew her phone number, he would call her. :もし彼が彼女の電話番号を知っていたら、彼女に電話するだろうに。
→ 事実:彼は彼女の電話番号を知らない。
would:(単純に)~だろうに
could:(能力・可能性として)~できるのに
I wish ~ は、「(実際は違うけど)~だったらいいのになあ」という、現在の事実とは異なる願望を表す表現です。
これも仮定法の一種なので、wish に続く文の動詞は過去形になります。
I wish + 主語 + 動詞の過去形.
I wish I were a famous actor. :私が有名な俳優だったらなあ。
→ 事実:私は有名な俳優ではない。
I wish I could play the piano like her. :彼女のようにピアノが弾けたらなあ。
→ 事実:私は彼女のようにピアノが弾けない。
I wish we had more time. :もっと時間があればなあ。 → 事実:私たちにはあまり時間がない。
| 種類 | 形 | 意味 |
|---|---|---|
| 仮定法過去 | If + S' + 動詞の過去形..., S + would/could + 動詞の原形. | もし(今)~だったら、…だろうに。 |
| 願望の表現 | I wish + S' + 動詞の過去形. | (今)~だったらなあ。 |
仮定法は、形が複雑に見えるため難しく感じがちですが、「現在の事実とは反対の空想話」という基本イメージと、「形は過去、意味は現在」という時制のズレをしっかり押さえることがマスターへの鍵です。