通常の不定詞が「to + 動詞の原形」の形をとるのに対し、原形不定詞は、その名の通り to を使わず、動詞の原形だけで不定詞の役割を果たします。
この to が消える現象は、いつでも起こるわけではなく、特定の動詞が使われた場合に限られます。
①使役動詞(make, have, let)
②知覚動詞(see, hear, feelなど)
使役動詞とは、「(人)に~させる」「(人)に~してもらう」という意味を持つ動詞のことです。
make, have, let の3つが代表的で、それぞれ強制力やニュアンスが少し異なります。
基本の形 :使役動詞 + O (目的語) + C (動詞の原形)
「SはOにCさせる」という意味になります。O と C の間に「OがCする」という主語・述語の関係が隠れています。
最も強制力が強く、「(相手の意思に関わらず)~させる」というニュアンスです。
My mother made me clean my room. :母は私に部屋を掃除させました。
→ me が clean する、という関係。to clean ではない点に注意。
The coach made them run for an hour. :コーチは彼らに1時間走らせました。
make ほどの強制力はなく、「(当然の役割として・仕事として)~してもらう」という依頼のニュアンスです。
I had my brother carry my heavy bag. :私は弟に重いカバンを運んでもらいました。
The teacher had the students write a report. :先生は生徒たちにレポートを書かせました。
「Oが~するのを許す」「Oがしたいようにさせてあげる」という許可の意味を表します。
My father let me use his computer. :父は私に彼のコンピュータを使わせてくれました。
Please let me know if you have any questions. :もし質問があれば、私に知らせてください。
知覚動詞とは、「見る」「聞く」「感じる」など、五感で何かを捉える動詞のことです。
基本の形: 知覚動詞 + O (目的語) + C (動詞の原形)
「SはOがCするのを見た/聞いた/感じた」という意味になります。
● 代表的な知覚動詞
see, watch, look at (見る)
hear, listen to (聞く)
feel (感じる)
I saw a little boy cry. :私は小さな男の子が泣くのを見ました。
→ a little boy が cry するのを見た。
We heard someone call my name from behind. :私たちは誰かが後ろから私の名前を呼ぶのを聞きました。
I felt the house shake a little. :私は家が少し揺れるのを感じました。
help は少し特別で、原形不定詞と to不定詞の両方を使うことができます。
to はあってもなくてもOKです。
基本の形: help + O + (to) 動詞の原形
She helped me (to) do my homework. :彼女は私が宿題をするのを手伝ってくれました。
Can you help me (to) find my key? :私が鍵を見つけるのを手伝ってくれますか?
| 動詞の種類 | 基本の形 | 例文 |
|---|---|---|
| 使役動詞 (make, have, let) |
使役動詞 + O + 原形不定詞 | My dad made me wash his car. |
| 知覚動詞 (see, hear, feel) |
知覚動詞 + O + 原形不定詞 | I saw him enter the room. |
| help | help + O +(to)+ 原形不定詞 | He helped her (to) carry her bags. |
原形不定詞は、第5文型SVOCのC(補語)の部分に動詞の原形が来る特殊なパターンです。
どの動詞がこの形をとるのかをグループで覚えることが、マスターへの鍵となります。